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連載/コラム

EMO

連載: Di(s)ctionary

掲載: 2010年12月22日 14:37

更新: 2010年12月22日 14:37

ソース: bounce 327号 (2010年11月25日発行)

特別講師/山口智男

 

I エモの成り立ちと特徴

 

 

今回のテーマは〈エモ〉。USではイマドキの若者ロック・バンドなら何でもかんでもエモと言ってしまう風潮さえある昨今ですが、しかし初期においては〈エモコア〉と呼ばれていたように、もともとはUSハードコア・パンクから派生したものなのです。

80年代後半から90年代前半にかけて、それまではどちらかと言うとマッチョな輩の多かったハードコア・シーンに、フガジやゴリラ・ビスケッツ、ライフタイムなど、UKロックからの影響も滲ませたメロディー重視のバンドが現れます。その後、従来のハードコアとはいっしょに括れないということから、いつしかエモーショナル・ハードコア(=エモコア)なる呼称が浸透しはじめました。

 

 

そんなパンク/ハードコア界隈だけで使われていた〈エモコア〉という言葉が市民権を得たきっかけは、ゲット・アップ・キッズやジミー・イート・ワールドのブレイクでしょう。以降、ハードコアよりもむしろウィーザーから刺激を受けたと思しき泣きメロやナードな佇まいをアピールしたバンドが増え、次第にエモコアは〈エモ〉と呼ばれるようになります。と同時に、そこで使われる〈エモーショナル〉という言葉のニュアンスも、〈激情〉から〈涙もろい〉〈女々しい〉に変わっていきました。

そして2000年代中盤、フォール・アウト・ボーイやオール・アメリカン・リジェクツがメインストリームで大成功を収め、ロックスター~セレブ扱いされるようになると、若者向けのポップ・ロック≒エモと見なす風潮が生まれてきます。こうして一気に振り幅を広げたエモはメタル、プログレ、ゴス、エレポップなどさまざまな要素を呑み込み、歌パートに絶叫を加えたスクリーモを一例に、採り入れた要素の数だけサブジャンルが派生。冒頭で述べたように、現在〈エモ〉という言葉は〈エモコア〉的なものと近年のヴァラエティー豊かな音楽を包括する、非常に曖昧なものになっています。

 

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