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第557回 ─ Meiso

連載
NEW OPUSコラム
公開
2009/12/24   18:00
更新
2009/12/24   18:34
ソース
『bounce』 317号(2009/12/25)
テキスト
文/一ノ木 裕之

ハワイで瞑想していた(!?)バイリンガル・ラッパーが、ついに日本でその正体を現す!

 高校時代にハワイへ移住し、ホノルルを拠点にダイレクト・ディセンツのメンバーとして活動しながら作品を発表してきたMC=外人21瞑想。日本へ一時帰国した2003年には、日本語ラップ・ファンの注目を広く集める〈BBOY PARK〉のMCバトルで優勝をさらったことで一躍話題となったが、時を経て日本に活動拠点を移し、Meisoとして相次いで関連作を2枚リリースする。

 まずはアルバム・デビューとなるソロ作『夜の盗賊』。ブラックスターの楽曲を言葉遊びや比喩をもって日本語詞に再構築したというタイトル曲をはじめ、純然たる日本語で綴る知的なリリシズムはHisomi-TNPやShing02とも相性が良く、それぞれが本作のクライマックスといえる。続いて、メルボルンのクルーであるカース・オヴ・ダイアレクトの日系人メンバー=カイゲンとのコラボ作となったのが、KAIGEN21MEISO名義のニュー・アルバム『音故到新』だ。アンチコンのソールをはじめ、オミッドやMichitaら国内外のプロデュサーによる展開も豊かなトラック群が、Meisoのフロウのヴァラエティーを引き出している。そのフィジカルな興奮は『夜の盗賊』の上を行くものだ。このコラボで見せた世界観が、今後のソロ作に反映されることを期待したい。