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第190回 ─ おもしろサウンドの発信地、ZEの魅力を暴くZE!

レーベルに残された自由奔放でカラフルなディスコ・パンク盤の数々を紹介するZE! (その1)

連載
360°
公開
2009/11/18   18:00
更新
2009/11/18   18:06
ソース
『bounce』 316号(2009/11/25)
テキスト
文/北爪 啓之、小松 健一郎、櫻井 誠

JAMES CHANCE & THE CONTORTIONS
『Buy』
 (1979)
コントーションズ名義での初作。〈Contort Yourself〉と歌いながらでたらめにサックスを吹きまくり、狂ったように歌いわめき散らす様はまさに自虐的なフリージャズ・パンク。ホワイトに改名後はファンキーなディスコ・アレンジの曲がメインに。*櫻井

CASINO MUSIC
『Jungle Music』
 (1979)
やっと聴けました! 中古市場で高額取引されていたパリの4人組による唯一作。こんなにフニャフニャで大丈夫?と心配になるほどのトロピカルな楽曲が楽しすぎ! ブロンディのクリス・スタインやトム・トム・クラブのスティーヴン・スタンレーが制作に関わっています! *小松

JAMES WHITE & THE BLACKS
『Off White』
 (1979)
JBに倣って改名したが、それでも抜けないチンピラ臭をプンプン匂わせたジャズ・パンクの傑作。アナログでいうA面にシャープな歌モノ、B面に八方破れなインストが収められている。ボートラで聴ける“Contort Yourself”のダンス・ミックスも最高だ。*北爪

LIZZY MERCIER DESCLOUX
『Press Color』
 (1979)
フランスが生んだ最高のニューウェイヴ・ギャルであり、ZEの看板娘でもある。この初作で展開される、強靭なビートと天真爛漫なヴォーカルのヤンチャな掛け合いの格好良さといったら! M.I.A.やエボニー・ボーンズと並べて聴くべし。*北爪

LYDIA LUNCH
『Queen Of Siam』
 ZE/Cherry Red(1979)
オマー・ロドリゲス・ロペスとの共演も話題となったNYのアングラ女王が、ZEに残した初のソロ作。ティーンエイジ・ジーザス&ザ・ジャークスをバックに、フリーキーなジャズを纏いながら淡々と醒めた狂気を吐き出していく。あまりにも〈No!〉な衝撃作。*小松

CRISTINA
『Doll In The Box』
 ZE/Wind Bell(1980)
元モデルにしてハーバード大学を卒業したIQ165の才媛……という経歴からして胡散臭いが、彼女の甘えん坊なロリ声を聴くと何でも許してしまえるから不思議だ。確信犯めいた脱力キュートなディスコ・サウンドは、Perfumeの先輩のようでもある。*北爪