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第542回 ─ INSPIRATION INFORMATION

連載
NEW OPUSコラム
公開
2009/10/21   18:00
ソース
『bounce』 314号(2009/9/25)
テキスト
文/西尾 洋儀

今度はアノ人とコノ人!? ストラットのコラボ・シリーズが凄すぎます!!

  ジャンルや世代を跨いだ顔合わせで音楽ファンに驚きと興奮を与えてくれる――ストラットが昨年スタートした〈Inspiration Information〉はそんなコラボ・シリーズだ。レゲエ界最強のリズム隊であるスライ&ロビー×官能的な漆黒のソウルを描くアンプ・フィドラー、ルーツ・レゲエの重鎮にしてマッシヴ・アタックらとの異種コラボも積極的に行ってきたホレス・アンディ×UKハウス界の重鎮アシュレイ・ビードル、〈エチオピア・ジャズの生きる伝説〉ことムラトゥ・アスタツケ×エクスペリメンタルなジャズ・ファンクを聴かせるヘリオセントリック……と、過去のラインナップを振り返ってみれば、目の付けどころの鋭さに気付くだろう。

 というわけで、早くもシリーズ買い必至になりつつある〈Inspiration~〉最新版は、トニー・アレンとジミ・テナーによるエキセントリックなアフロビート作品に。アレンの叩き出すポリリズミックなダンス・ビートに乗せ、テナーがキーボードを弾きながらご機嫌な歌を披露。さまざまな音楽に手を出してきたテナーだが、本作にも参加している西アフリカ出身のファンク・バンド=カブ・カブとコラボ盤を制作するなど、アフロ音楽へも積極的に接近してきただけあって、憧れのドラマーとのセッションがよほど嬉しかったのだろう。自由度の高い演奏が、何とも微笑ましい。

▼関連盤を紹介。