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第188回 ─ 祝デビュー30年! どうしてスリッツはこんなに気持ちイイの?

第188回 ─ 祝デビュー30年! どうしてスリッツはこんなに気持ちイイの?(2)

連載
360°
公開
2009/10/21   18:00
ソース
『bounce』 315号(2009/10/25)
テキスト
文/村尾 泰郎

女は自由を愛するものなのよ!

  『Cut』発表の前年に、パルモリヴがレインコーツに加入するため脱退。同作のツアーではポップ・グループのブルース・スミスがサポート・ドラマーを務め、彼を通じてスリッツはブリストル・シーンと繋がりを持つことになる。そして、彼女たちはポップ・グループが所属するYから『In The Beginning』やシングル“Man Next Door”(ジョン・ホルト&パラゴンズのカヴァー)をリリース。また、アリとヴィヴはスミスと共に、エイドリアン・シャーウッドがオーガナイズするダブ・プロジェクト、ニュー・エイジ・ステッパーズにも参加した。そうした活動のなかで、アリはジャズ・ミュージシャンのドン・チェリーや彼の娘であるネナ・チェリーと親交を深め、さらに彼らを通じてアフリカ文化に興味を持つようになっていく。その結果生まれたのが『Return Of The Giant』(81年)だ。ダブ、アフロビート、フリージャズなどなど、いろんな要素が煮込まれたトライバルなサウンドは、本人たちが言うところの〈アーバン・プリミティヴ〉なパワーに満ちている。しかし、この年の12月、スリッツは突然活動停止を宣言した。

 その後、アリは一時期リップ・リグ&パニックに参加したが、ジャマイカに渡ってラスタの男性と結婚。ジャマイカとNYを行き来しながら音楽活動を続け、2005年にファースト・ソロ・アルバム『Dread More Dan Dead』を発表する。翌年にはテッサを誘って新メンバーを加え、スリッツを再始動させた。そしてこのたび、28年ぶりのニュー・アルバム『Trapped Animal』がリリースされたのである。以前よりダンスホール・レゲエ色が強まったものの、直感的で自由奔放な演奏スタイルはそのまま。

 そんな彼女たちの存在は、ライオット・ガール・ムーヴメントをはじめ、ピーチズやM.I.A.といった〈DIY上等!〉な女性ミュージシャンに大きな影響を与えてきた。女であること、そして、思うままに音楽をプレイすることを謳歌してきたスリッツ。そういえば、『Cut』リリース時のPVでジャケと同様に泥まみれの姿で近所の公園をうろつく4人の姿も最高に格好良かったっけ。怖いモノ知らずな〈割れ目ちゃん(スリッツ)〉の新たな冒険は、いま始まったばかりだ。


リップ・リグ&パニックのベスト盤『Knee Deep In Hits』(Virgin)

▼ニュー・エイジ・ステッパーズのアルバム。

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