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第534回 ─ O.N.O

連載
NEW OPUSコラム
公開
2009/09/16   18:00
ソース
『bounce』 314号(2009/9/25)
テキスト
文/リョウ 原田

THA BLUE HERBの頭脳が、縦横無尽にそのスキルとセンスを発揮した2枚を聴け!

  2007年作『LIFE STORY』において劇的な変化を遂げたTHA BLUE HERB。特に印象が強かったのはトラック制作を担うO.N.Oの変化であり、重厚な電子音に彩られた世界観には彼のテクノ志向を感じた。そんなトラックへの評価に呼応するように、昨年ソロ2作目『SIGNALOG』を発表した彼が、ライヴ盤と新作を同時期にリリース。

 ライヴ盤『Machine Livelog at module, tokyo 30/Jan/2009』は『SIGNALOG』のライヴ展開版といえるもので、渋谷moduleで今年1月に披露されたセットを収録している。名リズム機〈マシンドラム〉を意識したジャケにあるタイトルの書体が示す通り、終始硬質なビートを鳴らしながらテンションをノンストップでキープする60分。入り組んだビートの躍動が、よりダンサブルに堪能できる。また、新作『SLOW DAY OVER HERE』は彼流のチル美学を形にしたもので、こちらは重低音と民族楽器に彩られたディープなトリップ盤になった。URのマッド・マイクも賛辞を送ったという、O.N.O博士の刺激的な研究成果をご堪能あれ!

▼O.N.Oの新作。