――若手バンドから大先輩まで。凄いメンツが揃いましたね。
グレートマエカワ(ベース)「奇跡に近いですよ、これだけのミュージシャンが参加してくれたというのは。最初の斉藤和義くんの弾き語りからもう素晴らしいですもんね。アコギだけじゃなくて、後半からドラムやマンドリンとかも入ってくるのがまたカッコイイ。で、金子マリさんは歌の解釈が凄くてリズム感も独特。ハッピーな感じに仕上げてくれました」
――怒髪天はやっぱり最高ですね(笑)。
グレート「増子(直純)さんから〈笑うよ〉ってメールをもらってたんですけど、本当に笑いましたね(笑)。いちばんのスピード・ナンバー」。
竹安堅一(ギター)「(上原子)友康さんのギター・ソロが素晴らしい。ごちそうさま!って感じで」
グレート「それから、原曲を誰よりも見事に壊してくれたという意味で嬉しかったのがミドリかな。演奏技術の高さを最大限に見せてくれました」
竹安「それを録った直後にミドリの小銭(喜剛)くんとたまたま会ったら、〈本当にイイのが出来たんで楽しみにしててください〉って言われて。実際、聴いた時に震える感じがありました」
グレート「あと、見事にこの曲を南の島まで持って行ってくれた中孝介くんも良かったね! 勝手にシングル・カットしたいくらい(笑)」
――泉谷しげるさんのヴァージョンは皆さんみずからバックの演奏を務めてますね。
鈴木圭介(ヴォーカル/ギター)「これはいちばんの問題作です(笑)。泉谷さんが〈フラカンの演奏で歌いたい〉ってことだったので、レゲエとかカントリーのアレンジを4パターンぐらい作ったんですよ。そしたら〈勝手に変えるんじゃねえよ。フラカンに頼んでるんだからフラカンのヴァージョンでやれ。ふざけんじゃねえぞこの野郎!〉って(笑)」
グレート「結局、泉谷さんの歌に合わせてほぼ一発録りしました。気持ちで歌う凄みを見せつけられましたね。で、それとは対照的に湯川潮音ちゃんはエレガント。汗臭さがまったくない!(笑)」
竹安「僕がいちばん感心したのはおとぎ話ですね。コードを変えて不思議な響きにするあたりのセンスは凄いですよ。GO!GO!7188も原曲に忠実なんだけど、後半からいろんなアイデアを入れてくるのが素晴らしい」
グレート「キャプテンストライダムはなかでもいちばん正統派。ハード・ロック好きの仲間的な意識が感じられて嬉しくて。そういう点でいうとかりゆし58には(良い意味で)ジェネレーション・ギャップを感じました。90年代のギター・ロックが根っこにある感じ」
鈴木「俺たちがやると絶対に80年代になるから(笑)。俺がジェネレーション・ギャップを感じたのは藤田大吾(aluto)さんかも。いちばんソフトでメロウで、いまの若者の主流はこっちなんだなと。俺が主流ではない(笑)」
――ヴェテラン勢だと、YO-KINGさんの歌の味は素晴らしいですね。
竹安「感動的でした。聴いた瞬間、こんなに歌うまかったんだ!って驚いたくらい(笑)」
――フラカンによる2009年ヴァージョンも入ってますが、これがこんなに大切な曲になると思ってました?
鈴木「いや、実はこの曲に特別な思い入れはなくて、当時〈そろそろ新曲出さないと〉という感じで淡々と作ったんです。でも初めてライヴを観る若い子の喰い付きがまったく違った。会場限定でシングルを出したら売り上げも他とは全然違って、結局普通に店で売るCDにもしたし」
ミスター小西(ドラムス)「僕は最初に録音した時から大事な曲だと思ってました。周囲の反響が良かったこともあって、時間が経つにつれてどんどん深いものに思えてきましたね。ライヴでやり続けたおかげだと思います」
グレート「今回カヴァーしてもらったことで、〈こんなにイイ曲だったんだ〉と前よりも強く思ったし、世代や男女を問わず響く曲だということがわかりました」
鈴木「みんな時間がないなかで今回やってもらって、申し訳ない気持ちと素直に嬉しい気持ちが半々ですね。最初は同じ曲ばっかり続けて聴けないだろうと思っていたんですが、これは一枚通して全然聴けるし、やる人によってこんなにも切り口が違うんだ~って感心しました。ホント、みなさんに感謝してます!」
▼文中に登場したアーティストの関連作を紹介。