たこが本気を出して大変! 四方八方にその脚を伸ばした新作に悶絶です!

いまがいちばんええ感じ。関西ソウル~ファンク~ブルース界の宝ともいえるザ・たこさんの動きが俄然活気を帯びてきて、実にええ感じなのである。例えるならば、2009年のザ・たこさんは80年のRCサクセションの如し。つまり長きに渡る牛歩的活動期間を経てフロントマンがついに本気になり、メンバーの入れ替わりと並行して音も曲調も明快に。で、ライヴの動員も目に見えて増加。3度目の〈フジロック〉出演(キング・オブ・苗場食堂!)でも注目を集めるなか、3年ぶり4枚目となるニュー・アルバム『ベターソングス』を放った。
「満を持しました。略して〈マンジ〉の新作! 大袈裟ではなくこの3年が何であったかを証明できるアルバムになってます」とは〈悲しき怪人〉こと安藤八主博(ヴォーカル)の弁だが、まさに。元来のゴリ押しファンク味も残しつつ、しかしある種の軽快さとか疾走感もあって、間口がブォンと広がっているのだ。オーティス・レディングみたいなのもあればジャングル・ビートもあり、〈初期の〉清志郎が乗り移ったような曲もある。マディ・ウォーターズから鶴瓶までを自在に行き来する安藤の声の色気もさらに倍。ああ、笑いながら泣けてくる。おっさんだって駆け出したくなる!
▼ザ・たこさんの近作を紹介。