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第26回 ─ Brighton

連載
グディングス・リナ の Delicious Dishes
公開
2009/07/15   18:00
ソース
『bounce』 311号(2009/6/25)
テキスト
文/グディングス・リナ

グディングス・リナが世界の〈音楽〉と〈料理〉のお皿2枚使いで贈る、〈音食同源〉コラム!!

  先月に引き続き旅のお話。今回もうひとつ訪れた場所は個人的にとても気になるレーベル、トゥルー・ソーツのあるブライトンだ。偶然繋がりのある友人を頼ってオフィスに遊びに行けることになった。イギリスにはいわゆるメジャー・レーベルに属さない、インディペンデントなレーベルに所属するアーティストが世界的に成功を収めているケースも珍しくない。なぜに彼らは道を拓くことができたのか? わたしもインディペンデント出発のアーティストとして、イギリスのインディー・シーンの元気の源を垣間見ることができれば……と勇んで出掛けた。

 トゥルー・ソーツのオフィスは、サンフランシスコを彷彿とさせる観光都市・ブライトンの坂の多い道を駅から10分ほど歩いた、オフィス&倉庫が集合する建物の5F深奥にある。重く大きな扉を開けると、高い天井、一面を大きな窓に覆われた20畳強の気持ちの良いスペースが広がる。デスクがあるのは部屋の1/3程度。窓と反対の壁には自社レコードのストックが天井に届くほどそびえている。デスク寄りの壁には大きなホワイトボードがあり、その横には仲間のグラフィティ・アーティストが描いたというユーモアたっぷりのJBの絵。オフィスに流れるBGMの音質の良さからすると、スピーカーにも気を遣っているんだろう。ともかく、すべてが想像していた混沌空間とは裏腹に清潔で、スタッフは健康的、ちょっとばかり田舎のゆったりさも漂って居心地良いじゃあないの。とはいえ、ほんわかに見えながらも10年もレーベルを継続してきた背景には、良質な音楽や地元の魅力的なアーティストを育てて広めたいといった、頑固なこだわりと信念があってこそだろう。

〈あわよくばわたしの音にも興味を持ってくれないかしら!?〉と思わないわけではなかったけれど、実際スタッフに会ったら、彼らが地元を愛する姿勢やらその在り方を讃えればこそ、むしろわたしは日本で何ができるだろう、と考えずにはいられなかった。下心をくすぐられるのとは違う、もっと根っこに効く良い刺激と宿題をもらった気がするのです。

わたしの旅の間の朝食、シリアル・ヨーグルトの詳しいレシピなどはこちら
http://www.goodingsrina.com/

RECIPE シリアル・ヨーグルトといっしょに堪能したい、今月のDelicious Dishes!!!

ME & YOU 『Floating Heavy』 Tru Thoughts(2007)
浮遊する重量物に座布団三枚~! 内容を言い得たタイトルとジャケット──実際に聴けば気分も爽やかに浮上するはず。このユニットの一員、ロバートが実はレーベル・オーナーだった!

BONOBO 『One Offs... Remixes & B-Sides』 Tru Thoughts
ブライトン出身、トゥルー・ソーツによって育てられ、ニンジャに移籍した卒業生代表。この企画盤、〈One Offs〉といっても傑作なので、そっとしておくには惜しすぎるのです。

STONEPHACE 『Stonephace』 Tru Thoughts(2009)
上記2枚はわたしの勝手な思いでの大プッシュ作品。で、こちらのアルバムはレーベルが現在プッシュ中。ブレイクビーツだけではないレーベルの最近の趣向を体現してるバンドです。

PROFILE

グディングス・リナ
格好良いゴッタ煮ビート音楽を作り出すシンガー・ソングライター/トラックメイカー。カヴァー・アルバム『The Nightbird』(ビクター)も大好評! 7月25日には一宮でDJを行うとのこと。最新情報は〈http://www.goodingsrina.com/〉にて随時更新中!