やはり血は争えない? ブラジル最強の母娘から素晴らしい作品が到着!!
デビュー10周年を迎えたクララ・モレーノの新作『Miss Balanco』は、母ジョイスが全面プロデュースを手掛けた夢の親子コラボ作品。ジョアン・ドナートを招くなどよりオーセンティックなMPBスタイルを披露することで、これまでの〈クラブ・ブラジリアンの寵児〉という印象から完全に脱却し、いよいよ〈本格派シンガー〉としての風格を放ちはじめている。しかし何より、瑞々しさと郷愁、グルーヴ感の3拍子揃ったジョイスらしい音作りとクララの歌声との相性の良さにこそ、もっとも注目すべきだろう。
一方、母は母でアッと驚くお蔵入り音源――ナナ・ヴァスコンセロス、マウリシオ・マエストロと共にパリで録音された『Visions Of Down: Paris 1976 Project』――が発掘されたばかり。その後の作品にはないスピリチュアルでアシッドでフォーキーなグルーヴは、いま聴いても新鮮。資料価値を抜きにしても素晴らしい一枚だ。