グディングス・リナが世界の〈音楽〉と〈料理〉のお皿2枚使いで贈る、〈音食同源〉コラム!!

世界中のいろんな音楽と食べ物を毎月紹介しているこの連載。根っこの主張はつまるところ〈なんでもアリ〉という風に映っているのかしら……bounce読者の皆さん、特にここを読んでくださっている人はかなりの雑食気質と察しますが。当のわたしの雑食気質は、はてどこから来たものか?というと、もともとわたしのなかにある根本的節操のなさもあるでしょうが、その芽を伸ばしたのは〈ヒップホップとの出会い〉と言えるかもしれません。いかついファッションでもサグ・ライフでもなく、わたしにとってのヒップホップの魅力、それは〈シンプル&マルティプル(多面的)〉なところ。古いソウルやジャズの曲をブツ切りにしてループさせただけのトラック、そんな大雑把な音の上でバンド演奏もなしにマイクを握る潔さ! そこには自分のできる範囲でやれることをやるだとか、道具に対してもずいぶんとシンプルな発想があります。また、ヒップホップのDJが新作よりも過去音源や世界中の音楽を必死に掘り起こしてトラック作りに使ったり、パーティーでゴチャ混ぜにかけることで、新しい価値観のなかで古いものが再生されたり……わたしはそこにすごくマルティプルな世界が開けているように感じました。だからヒップホップが、ボサノヴァの世界や民謡の世界への入口になってしまったりするワケ。
で、ともかく今回はNYの巻……じゃない、オランダでしたね。アムステルダム。そこにいる人のほとんどがそこで生まれた人じゃないって意味では、ヨーロッパの東京!? 噂どおり夜の通りを歩けば〈ここはなんでもアリだ!〉と感じるに十分。でも〈大人の遊園地〉やガバ(オランダ発、破壊的で超高速なテクノ)だけじゃなくて、もうちょっと違ったオランダをそろそろ知りたい。そんなときこそ現在進行形の音に触れてみよう。そこには都会の音楽だからこそ!な多国籍感=マルティプルさが想像以上に詰まっている。
ところで、ロッカーに入ってて店員さんと話さないでも買えるあの有名なコロッケは、客や店員がみんな違う言語を喋るって前提で生まれたのかな? 誰か知ってたら教えてくださいね。
コロッケの怪しいレシピなどはこちら
http://www.goodingsrina.com/blog/
RECIPE コロッケといっしょに堪能したい、今月のDelicious Dishes!!!
GIOVANCA 『Subway Silence』 Dox(2008)
現地でヒドい遊びをしなくても現在形ポップスのCDを聴くだけで、その〈なんでもアリ〉具合を体感できますよ。例えば、懐古趣味の丁寧な職人的ポップス世界ならこちらをはじめ、ベニー・シングス周辺をどうぞ。
ZUCO 103 『Whaa!』 Zirguiboom/Crammed(2005)
ザップ・ママが好きな人にオススメしたい! ブラジル音楽とダブが並列にメニューに載っている、ちょっと知的な店主がいそうな多国籍料理屋。各国の良いお出汁が出ています。
NICOLAY & KAY 『Time: Line』 Nicolay/Groove Attack(2008)
なんとも洗練されたヒップホップだこと! み、見事! こちらは日本の人もかなり好きそうです。滑らかであったかくて、知的な店主がいそうな……ってしつこい!?
PROFILE
グディングス・リナ
格好良いゴッタ煮ビート音楽を作り出すシンガー・ソングライター/トラックメイカー。カヴァー・アルバム『The Nightbird』(ビクター)も大好評! なお、次回の〈Delicious Dishes〉は旅行先のUKからお届け。「果たして料理なんてできるんでしょうか? 乞うご期待!」とのこと。