ライヴでこそ発揮される魅力を凝縮した、骨太なアルバムが完成!

ロックンロールの〈過激さ〉をそのまま体現したようなバンド、STAN。彼らから届いたニュー・アルバム『Virginia sky, Endless stardust & Darlin'』は、彼ららしいユニークな方法で作り上げられた作品だ。昨年秋に行われたツアーでのライヴ音源をスタジオに持ち込み、ダビングやミックスを施してそれを磨き上げた後に、ベスト・トラックを選んでパッケージしたという。収録されているのは、これまでにリリースしたアルバムからまんべんなく選ばれた代表曲+新曲から成る11曲。初めて彼らのことを知る人にも、破天荒なエネルギーと熱いグルーヴ、繊細なメロディーというバンドの魅力が一発で伝わるような内容だ。ギター、ベース、ドラムスという編成で骨太なリフを元に組み上げられるSTANのロック。余計な飾りのないサウンドの肝は、やはり〈天使のメロディーと悪魔のグルーヴ〉とも称される、〈切なさ〉と〈奔放さ〉の二面性にある。荒々しい迫力を持つライヴから作られた本作は、これまでのスタジオ録音盤に比べてもそのことをストレートに伝える一枚と言えるだろう。直球ギター・ロックに仕上がった新曲であるタイトル・ナンバーも含めて、ほとんどの楽曲が2~3分台の長さ。〈一発勝負〉の勢いで駆け抜けていく彼らのロックンロールの真骨頂は、やはりライヴでこそ発揮されるものなのだ。
▼STANの作品を紹介。