次松大助が見つめる、とある町の日常──

風の強い日。
今日は半年ぶりに昼間から焼酎をごすごす飲みました。〈オイ〉と〈ネー〉にアクセントを置く〈オイシイネー〉という、もうすぐ2歳になる子供のマネをしながら。で、夕方7時頃に寝て9時半に目覚めて、テレビを観てお風呂に入って、いま午前1時半です。今日の昼間のお酒はアレです、自分へのご褒美。おとといのソロ・ライヴがそこそこ上手くいったことに対する、一人打ち上げです。メンバーが僕一人なので打ち上げも僕一人、というわけです。オイシイネー。
そうそう、ニックネーム、あだ名というのが昔から一度も定着したことがなく、大体みんなに〈ツギマツ〉と名字で呼ばれます。あと、どこで間違えてインプットされたのか〈ツゲマツ〉と呼ぶ人も割といます。それはそれでいいんですが、一定のあだ名を持っている人のことを、たまに羨ましく思ったりもします。唯一小学校のとき、僕に定着しかけたあだ名が〈コンニャク〉でした。小学生当時からふにゃふにゃしていた僕が、人生で馬鹿にした2人目の大人(担任の先生)によって付けられたあだ名です(ちなみに初めて馬鹿だと思った大人はその前の年の担任でした)。僕自身、〈コンニャク〉というあだ名は嫌いではなく、むしろ歓迎していたんですが、それもいつの間にか〈ツギマツ〉に戻ってしまいました。例えばアメリカみたいに〈トーマス→トム〉〈マイケル→マイク〉という決まった形式があれば、もっとスムーズにあだ名が定着するのかもしれませんが、日本人の名前は少し種類が多いようなので、なかなか決まった形でニックネームを作るのは難しいようです。
しかし、ひとつ方法を考えましたので聞いてください。姓の最後と名の最初の一文字を入れ替えるという方法で、僕でいうとツギマツの〈ツ〉とタイスケの〈タ〉を入れ替えるという具合です。そうすると、僕ならば〈ツギマタツイスケ〉になります。〈ツイスケ〉というのはいかにもあだ名っぽいではありませんか。憎めないスケベというか。このやり方でいくと、たいがい姓か名のどちらかは気の抜けた感じになります。例えば、小泉純一郎さんは〈コイズジミュンイチロウ〉でビートたけしさんは〈ビータトケシ〉で、トッド・ラングレンは〈トッラ・ドングレン〉で白鵬さんは〈ハホクウ〉で阿部元総理は〈アモベトソウリ〉でユンソナさんは〈ユソンナ〉で字面的にあまり変わりません――はぁ眠い。星がきれいっす──でも福山雅治さんは〈フクヤママサハル〉なんです。男前って……!
今月のBGM
『Ravel: Piano Concertos, etc / Argerich, Beroff, Abbado』
Deutche Grammohon(1992)
フランスの作曲家に対する誤解に猛省してきちんと聴き直すことに。収録のピアノ協奏曲は、“Rhapso-dy In Blue”みたいなニュアンスの楽しい曲です。
PROFILE
次松大助
99年に大阪で結成されたスカ・バンド、The Miceteethのヴォーカリスト。バンドのアルバム『07』、ソロ・プロジェクト=箱のファースト・アルバム『long conte』が好評リリース中。現在は曲作りや練習に没頭する日々。その他の最新情報は〈www.miceteeth.net〉にて。