ありがちだけどありがちじゃないカヴァー集!
前置きナシでカヴァー企画盤を3品。まずは、GOATBEDこと石井秀仁が西脇彩華(9nine)と組んだORDINARY VENUSの『ORDINARY VENUS』。80年代アイドルの名曲がエレポップでリメイクされていて、西脇がオートチューン声で歌うことに意味を求める向きもあるでしょうが、聴きモノはcali≠gari時代から一貫した石井のポップ職人ぶりでしょう。Babe“I Don't Know!”や宮沢りえ“DREAM RUSH”といったユーロ歌謡主体の選曲も巧みだし、こういうのをテクノ・ポップと呼びたいですね。お次はLilium Go Roundの『ROMANTIC DISCO』で、ワム!やブー・ラドリーズらの洋楽ヒットを女声で手堅くダンス・ポップ化したものながら、生声だと逆に違和感を覚えるから不思議!? で、〈失恋処方箋コンピ〉を謳った『Teardrop』は、ボッサ調など生音多めのアレンジと加工ヴォイスで綴られたスロウ中心の内容。Aira Mitsukiの歌うカヒミ・カリィ“Mike Alway's Diary”をはじめ、ミスチル屈指の名曲“Over”や徳永英明“壊れかけのRadio”などが儚さ&切なさ倍増で迫ってくるから、ほとんど反則! Q;indiviやPerfume“願い”のホーリーな風情にも通じる冬向けの好盤であります。