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第26回 ─ 微妙なライン

連載
Bar YAMAGA
公開
2009/01/29   15:00
更新
2009/01/29   18:20
ソース
『bounce』 306号(2008/12/25)
テキスト
文/〈Bar YAMAGA〉のバーテン

武藤昭平による、〈憧れのアーティストたちと酒場でいっしょに酒を飲んだら?〉――という深夜の妄想話!

 30時。相変わらずここ〈Bar YAMAGA〉にて。誰と誰が似ているか、という話しで討論をしているのは、ザ・フーのドラマー=キース・ムーンと、ジャズ・ドラマーの大御所ジーン・クルーパ、そしてだいぶ酔ってる俺、武藤昭平である。

 ふたたびキース・ムーンが口を開いた。「鼻から下が似てるといえば。元ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュとレニー・クラヴィッツが似てると思うが……」。すると俺、「確かに似てますね。でも、スラッシュって鼻から上がどんなふうになってるのか、イマイチわからないんですけど……」。笑いながらジーン・クルーパが話し出す。「話は変わるが、日本にエグザイルってグループがいるだろ? 俺はあまり詳しくないんだが、そこのメンバーが最近ボクシングの試合に出てなかったか?」「えっ……!?」。悩む俺を横目にキースが切り出す。「なあ、ジーン。もしかしてボクシングのコウキ・カメダとエグザイルの誰かを勘違いしているんじゃないか? あまりイメージだけで言わないほうがいいよ」。するとジーンはまた続けた。「そうか。ならグリーン・デイのヴォーカルとレオナルド・ディカプリオは似てないかな?」「グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングですか? 似てないと思いますよ。童顔という点ではわかりますけど。でもジーンさん、微妙なラインをついてきますね」と俺。するとキースが言う、「色男で言えばジャミロクワイのジェイ・ケイとキアヌ・リーヴスが似てるんだよ。ジェイ・ケイが帽子を取ったら目の感じとかそっくりだぞ」「そうなのか……」。そう答え、改めて酒を注文するジーン。

 そしてしばらく考え込んでいたジーンが、また口を開いた。「ドラマーで注目してた奴でさぁ、いまはもう辞めてしまったんだが、元REMのビル・ベリーがな、ミツオ・センダにそっくりなんだよ」。

 キースと俺はつい目を合わせて叫んでしまった──「あ~っ! 似てる~!!」。

……武藤昭平、あくまでも妄想の話。

深夜の妄想盤

GREEN DAY 『Shenanigans』 Reprise 
レオ様とビリーさん、人間を3種類くらいに分ければ同列に並ぶかもしれませんね、双方イタリア系ですし。それにしても微妙すぎて言葉が続きません。私的にはポール・マッカートニーさんのほうが近いと思うのですが……、このジャケでの垂れ目具合とかどうです?

JAMIROQUAI 『Dynamite』 S2(2005)
かつてスピード違反で御用となったこともあるジェイ・ケイさんと、同じくスピード狂で知られるキアヌさん。う~ん、こちらはそこそこ似ていますね。念のため、同じ路線でイチロー選手やゲイリー・オールドマンも並べておいてください。

R.E.M. 『Monster』 Warner Bros.(1994)
で、こちらは文句ナシに似てます! 97年に脱退するも、たびたび復帰説が囁かれているオリジナル・ドラマーのビリーさん(ナハナハ)。最後はきちんと落ちて一安心ですね。というか、〈似てるトーク〉はいつまで続くのでしょう? ムトウさん、もうすぐ夜が明けますよ。

PROFILE

武藤昭平
ジャズとパンクを融合させたオリジナルなサウンドで人気を博す伊達男音楽集団、勝手にしやがれのドラマー/ヴォーカリスト。レーベル移籍後初となるニュー・アルバム『マイ・ライフ...』(tearbridge)も大好評リリース中。1月31日(土)に石川・金沢MANIERで、ウエノコウジをゲストに迎えてソロ・ライヴを行うとのこと。その他、バンドの最新ニュースは〈www.katteni-shiyagare.com〉でチェック!!