最注目の若手レゲエDJが魅せる新たなファウンデーション!

努力の末に2007年の〈Road To 横浜レゲエ祭〉を制し、夢の大舞台を踏んでから約1年余り、ようやくアルバムまで漕ぎ着けた――とか書くと、あたかも長~い下積み生活を送ってきたかのようだが、実はこのRUEED、15歳の頃に地元・横須賀でキャリアをスタートさせてからまだ5年ほどしか経っていない。シーンの急速な成長と共に、良くも悪くも若手がアルバムを出しやすくなっている状況下で、彼もご多分に洩れず……ではあるのだが、(筆者と同郷という個人的な思い入れを抜きにしても)この男の本場ジャマイカ産レゲエに対する傾倒ぶり、先人に向けられたリスペクトの念、そしてレゲエの基本に忠実なDJスタイルは、他のどんな新参者にも勝っていると断言しよう。その証が、このファースト・アルバム『NEW FOUNDATION』なのだ! ダンスホール賛歌“ラガマフィン・ソング”やユーモアたっぷりの“BADDEST FAMILY~もしもシリーズ~”などファンにはお馴染みのトラックをはじめ、ALPS BANDの正村和也やHome GrownのKon“MPC”Kenほか錚々たるプロデューサー陣によって生み出された逸品ばかりを収録。ファウンデーション・リディムのリメイクをところどころに配置するなど、古き良きジャマイカ臭が漂ってくるあたりも彼らしく、とりわけMIGHTY CROWNのSAMMI-TとGUAN CHAIから成るTC Movement製の“WICKED JAPANESE”は、オール・パトワで挑んだ意欲作だ。
以上、どこに出しても恥ずかしくない国産レゲエ・アルバムがまたひとつ誕生した。ナニ、言い過ぎだと!? 緩急の付いたトースティングを聴いたらわかるよ。この男、〈マジヤベェ〉から。
▼RUEEDの参加作品を紹介。