武藤昭平による、〈憧れのアーティストたちと酒場でいっしょに酒を飲んだら?〉――という深夜の妄想話!
28時。ザ・フーのドラマーのキース・ムーンとジャズ・ドラマーのジーン・クルーパ、そしてこの俺・武藤昭平の3人で引き続き〈Bar YAMAGA〉で飲んでいる。先ほどキース・ムーンとジーン・クルーパが買ってきたCDを、タワレコの黄色い袋から取り出して笑いながら見ている。『Sail Away』のジャケットのランディ・ニューマンと、イアン・ハンター、ミッシェル・ポルナレフの3人を似ていると言う2人に、俺が「カーリー・ヘアでサングラスなだけじゃないっすか?」と突っ込む。すると、すかさずキースが俺の意見にこう切り返した。「じゃあ、“セクシャルバイオレットNo.1”の時のマサヒロ・クワナがこの3人に似てると思うか? なぁ、ムトウ!」「あ～、そう言われると……確かに似てないですよねぇ」。
しばらくして、タバコに火を点けた俺がキースとジーンの2人に向かって口を開いた。「そういえば、さっきの似てるっていう話しなら、ウチのバンドの勝手にしやがれのトランペッター・田中和は、サングラスを外すとどことなく尾藤イサオに似てるんですよね」「ん……? ハハハハ!」、キース・ムーンが反応して大笑いを始めた。そしてジーンが俺に話しかける。「そういえば、ムトウも誰かに似てるって言われないか? う～ん……あっ、総合格闘家のゲンキ・スドウとか」「あああ! よく言われますねぇ。須藤元気選手。あとはサッカー選手で〈キングカズ〉こと横浜FCの三浦知良選手にも似てるって言われますよ」「ヒャッヒャッヒャッヒャッ!」。相変わらず大笑いをしながらバーボンのロックを飲み干すキース・ムーン。
そこでまた俺が閃いたことをみんなに告げた。「そういえば、黒人さんのタレントで格闘技もやってるボビー・オロゴンっているじゃないですか? あの人、何となく伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソンに似てる気がするんですよね」。するとキースが、今度は真顔で俺にこう返した。「それは黒人同士だからそっくりに見えるってだけじゃねぇか?」「……そうっすかねぇ」。そしてキースが店員に言う「あ、バーボンのロック、おかわり!」。
……武藤昭平、あくまでも妄想の話。
深夜の妄想盤
桑名正博 『セクシャルバイオレットNo.1 桑名正博 RCA BEST COLLECTION』 BMG JAPAN
原田真二と並び、カーリー・ブームを牽引した桑名大将。シースルーのシャツを着てセクシーにアノ曲を歌う姿に、私も憧れたものです。しかし、ランディ～イアン～ミッシェルというよりも、顔立ち自体はボクサーの渡辺二郎さんラインですよね!
ROBERT JOHNSON 『The Complete Recordings』 Columbia
悪魔に魂を売って超絶ギター・テクを手に入れたなんて逸話も持つ謎多き伝説のブルースマンと、天然キャラがお茶の間で大人気のボビー・オロゴンですよ。いくらなんでも……あれ、似てなくもないですね。キースさんも、もうちょっと乗ってくれればいいのに。
PROFILE
武藤昭平
ジャズとパンクを融合させたオリジナルなサウンドで人気を博す伊達男音楽集団、勝手にしやがれのドラマー／ヴォーカリスト。レーベル移籍第1弾となる映画「たみおのしあわせ」のサントラ『ゼン・サマー・ケイム』に続き、ニュー・アルバム『マイ・ライフ...』（tearbridge）も好評リリース中。12月11日（木）には東京・九段会館大ホールで冬恒例のスペシャル・ワンマン・ライヴ行うとのこと。その他の最新ニュースは〈www.katteni-shiyagare.com〉でチェック!
