こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

NEWS & COLUMN ニュース/記事

第12回 ─ LOW IQ 01が選ぶ、リスナー遍歴を代表する10枚!

連載
TOWER RECORDS SHINJUKU 10th ANNIVERSARY
公開
2008/10/30   21:00
テキスト
文/bounce.com編集部

 今年でオープン10周年を迎えるタワーレコード新宿店では、現在〈TOWER RECORDS SHINJUKU 10th ANNIVERSARY〉と題してさまざまなイヴェントやキャンペーンを展開中! オモシロ企画が目白押しのこの1か月間を、bounce.comでは独自の視点で追いかけていきます! 今回は、10月19日に開催された記念イヴェント〈MUSIC LOVES YOU!!〉に出演したLOW IQ 01さんが登場。10周年にちなんで、リスナー遍歴を代表する10枚のアルバムを紹介していただきました!

LOW IQ 01「自分の音楽をひとつのジャンルに絞れないってことが、この10枚によく表れてますよね(笑)。僕は音楽に関しては不得意なジャンルがあまりないんですよ。例えば、昔はクラシックは聴かないだろうって思ってたんですけど、いまはクラシックが一番すごいんじゃないかという気さえしていたり。すごそうだから敢えて触れないようにしてるんですけどね。敢えて触れないってことだと、ビートルズも同じなんですよ。素晴らしいことはわかってるんだけど、聴かないようにしてる。パンクから入っちゃったから、ビートルズとかストーンズは、聴いてはいけないものだと思っちゃってたところもあったんですけどね。まあ、そんな僕が選ぶとこういう感じです」。

YMO『Solid State Survivor』(1979)

LOW IQ 01「これを聴いたのは小学生の頃ですね。まだ音楽といっても歌謡曲しか知らないなかで、すごく新鮮でした。YMOはゴダイゴと並んで、邦楽なんだけど洋楽的なものを感じさせてくれた存在でしたね。メロディーが素晴らしくて〈インストなんだけど、なんかクるなあ〉と思って聴いてた。YMOは一般的にテクノ・ポップとされてますけど、ぼくはロックの流れも結構あると思うんですよね。すべてを生楽器で演奏したらニューウェイヴっぽいと思うし。そういう意味でもYMOには、単にクールなだけじゃない心地のいい熱さを感じる。メンバー3人のバランスもすごくいいですよね。ああいう大人になりたいなあと思います」。

アナーキー『アナーキー』(1980)

LOW IQ 01「もちろんセックス・ピストルズやクラッシュは僕のなかで相当デカいんで選びたいところなんですけど、最初に耳にしたパンク・ロックはアナーキーなんですよ。クラッシュの“London Is Burning”より先に、 アナーキーの“東京イズバーニング”(“London Is Burning”の日本語カヴァー)の方を聴いたって感じなんで。小6くらいの頃かな、兄貴の部屋から聴こえてきて。テレビのライヴ番組にたまに出てましたし、とにかくすごい衝撃でしたねえ。歌詞は激しいんですけど、音は意外とポップで、そういうところも好きですね」。

PUBLIC IMAGE LTD『Public Image Limited』(1978)

LOW IQ 01「これも、セックス・ピストルズと言いたいところを、敢えてこっちを選びました。初めて見た外タレのライヴって、P.I.L.の中野サンプラザのライヴだったんですよ。そういうこともあってすごく思い入れがある。P.I.L.は、最初はとっつきにくかったし、当時はポップなピストルズの方が好きだったんですよ。ジョン・ライドンの声が、ピストルズ時代とは全然違うことにもびっくりしたし。でも、いま聴くと、こんなに優れてる音楽はないし、すごく洒落た音楽だったんだなあとつくづく思います。ピストルズは世の中全体に影響を与えたけど、P.I.L.はミュージシャンにサウンド面ですごく影響を与えたかなと」。

THE SPECIALS『More Specials』(1980)

LOW IQ 01「スカを最初に体験させてくれたのがスペシャルズ。僕にとっては2トーンのピストルズみたいな存在ですよね。で、マッドネスがクラッシュっぽい(笑)。最初に聴いたのは『The Specials』なんですけど、あれってもう100点満点のアルバムじゃないですか。『More Specials』は僕のなかで当時は70点くらいの印象だったんですよ。それが大人になるにつれて、どんどん好きになってきた。ミュージシャンの立場になって、良さがわかってきたのかもしれないですね。スカだけじゃなくて、色んな音楽の要素が入っていて、単にノリだけじゃない。ジェリー・ダマーズの魅力がよく出てますよね。すごくおもしろいアルバムだと思います」。

METALLICA『Ride The Lightning』(1984)

LOW IQ 01「中学生の頃は、アイアン・メイデンとかジューダス・プリーストなんかのへヴィー・メタルが全盛期だったんですよ。でも僕はパンクから音楽に入ったこともあって、ど~してもメタルの格好が好きになれなかったんですよねえ(笑)。ハイ・トーンのヴォーカルも苦手だったり。でも、メタリカのお陰で、メタルが好きになれたんです。なかでも衝撃ってことではこれが一番だったかもしれない。特にドラムのツー・バスの速さ! 自分にはメタルっ気が全然ないと思ってたのに、気がついたら頭を振ってたみたいな(笑)。あと、スケートとリンクしてたところも重要かもしれないですね。メタリカの場合、へヴィー・メタルというよりはスラッシュ・メタルだし、自分は速い曲が好きだったから、そこでしっくり来たところはあると思います。これもリアル・タイムですね」。

G.B.H.『City Baby Attacked By Rats』(1982)


G.B.H.のアルバム『City Baby Attacked By Rats』

LOW IQ 01「パンクを聴くようになって、そこからUKハードコアへ入っていく架け橋になった作品ですね。ピストルズだけじゃ物足りなくなって、もっと速い曲を聴くようになったきっかけ。G.B.H.はとにかくシャープでタイトだった。ルックスもかっこよかったですね。エクスプロイテッドも僕のなかでは同じような存在なので、どっちにしようか迷ったんですよ。でも当時ずーっと聴いてたのはG.B.H.だったので、こっちを挙げました。特に“City Baby Attacked By Rats”のダカダン!ってドラムのキメの衝撃はいまだに忘れないですね」。

BAD BRAINS『Quickness』(1989)

LOW IQ 01「バッド・ブレインズもファースト・アルバムを挙げたいところなんですけど、敢えてこっちにしました。このアルバムもすごい好きなんですよ。久々に出した作品なんですよね。当時は80年代後半で、ミクスチャーな音楽が色々出てきていた。そういう状況を反映してか、これも以前よりメタル色が強くなってる。そういうところも意外に好きで、リアル・タイムでよく聴いていたんです。僕はH.R.(ヴォーカル)っていう人がすごい好きで、人間的にもすごく憧れてるんですよ。ハードコアをやりつつレゲエも採り入れたりするバッド・ブレインズは、色んな意味でパイオニアだなと思います」。

FISHBONE『The Reality Of My Surroundings』(1991)


フィッシュボーンのアルバム『The Reality Of My Surroundings』

LOW IQ 01「これはバッド・ブレインズから繋がって来る感じですね。フィッシュボーンはバッド・ブレインズに憧れて始まったバンドだと思うんですけど、彼らはハードコアよりもファンクのノリが強い。カーティス・メイフィールドのカヴァーもしてましたし、そういう姿勢がすごく好きでした。自分にとって、ファンクの入り口になったバンドですね。黒人のロックって、当時はまだマイノリティーな存在だったから、彼らはレッチリに比べると、かなりアウェーな存在だったと思うんですよ。でもそういう状況で彼らが頑張ったからこそ、いま活躍できてるバンドってたくさんいると思うんですよね。LA辺りには本当に多いんじゃないかなあ」。

RED HOT CHILI PEPPERS『Mother's Milk』(1989)

LOW IQ 01「これはもう、僕の基本になったアルバムですね。前作の『Freaky Styley』もすごく好きなんですけど。とにかく死ぬほど聴きました。バンドをやるって目線で聴いたアルバムかな。ああいうベースを弾いてみたいなと思わされたし。だから、ベーシストとしての自覚を持ったのは、レッチリのおかげかもしれないですね。元々、パンクを聴いてたときもベースから入ったんですけど、これを聴いてチョッパーとか指弾きをするようになった。パンクよりも技術を必要とするんだけど、そこまでバカ・テクを意識してないところにパンク心を感じたし、そこが良かった。色んな意味で色気を感じたアルバムですね」。

SLY & THE FAMILY STONE『Fresh』(1973)

LOW IQ 01「スライはフィッシュボーン経由で知りましたね。カーティス・メイフィールドとかスティーヴィー・ワンダーとかも好きなんですけど、その辺をこのアルバムに代表させました。そのなかでは、スライが一番ロック的というのもありますし。それから、僕はプリンスも好きな人間なんで、プリンスの父親的なアーティストのスライは外せないかなあと。あと、スライってやることがハチャメチャじゃないですか(笑)。自分はなんでも結構神経質なタイプなので、そういう破天荒なところがないんです。だから、ないものねだり的に、うらやましいと思っちゃうんですよね。周りの人は大変だろうなあと思いますけど(笑)」。

▼LOW IQ 01の作品を紹介

記事ナビ