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第8回 ─ オレスカバンド[TOWER RECORDS SHINJUKU 10th ANNIVERSARY]

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TOWER RECORDS SHINJUKU 10th ANNIVERSARY
公開
2008/10/23   18:00
テキスト
文/森 朋之

 全米デビュー、全米46都市を巡る世界最大級の移動型ロック・フェスティヴァル〈ワープト・ツアー〉全公演への参戦をはじめとした、約1年半に渡るアメリカでの活動――加速度的に活動の場を広げてゆく女子6人組が、10代最後の〈想い〉を込めた新作を完成させたぞ!!

  2007年3月、テキサスで行われたSXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)で初の海外ライヴ、同年7月、アメリカ最大のアニメ&マンガ・フェス〈アニメ・エキスポ 2007〉に参加。8月にはアルバム『ORESKABAND』を全米リリースし、そのまま全米最大のパンク・ロック・フェス・ツアー〈ワープト・ツアー〉の西海岸7都市公演に出演。2008年3月にはSXSWに2年連続で参加し、夏にはふたたび〈ワープト・ツアー〉で日本人アーティストとして初となる全46都市公演(!)に出演。2007年5月にファースト・フル・アルバム『WAO!!』をリリースしたのち、オレスカバンドは活動の場をどんどん広げており、そこで彼女たちが得た経験は最新ミニ・アルバム『What a Wonderful World! vol.1』のなかにもハッキリと反映されている。メロディックなスカ・パンクという基本フォーマットは変わっていないが、そのアンサンブルはさらに強靭になり、ホーン・セクションにはワクワクするような高揚感がたっぷり。バンドとしての大きな飛躍を実現させた本作、その最大のテーマは「うちらの考えていること、感じていることをブレなく音にしていく」(リーダー、トロンボーン)ことだったという。

 「『WAO!!』にはバンド生活が始まってから作り上げた曲が全部入ってたんです。もう残ってる曲はひとつもなかったから、今回のミニ・アルバムは、〈次はどういうものを作るべきか?〉っていう話から始まってるんですよね」(リーダー)。

 「ライヴと同じで、曲に思いを込めるっていうシンプルなことなんですよね。それを具体的なカタチにするときは、みんながすごく悩んだと思うし」(いかす、ギター/ヴォーカル)。

  〈行きたいところがあるのよ/それ以外のものなら要らないわ〉(“24カラット”)。

 〈We're going away/見たことないような〉〈続きが見たいな〉(“Going Away”)。

 たえさん(ドラムス)が手がける歌詞も、これ以上ないほどにストレート。特に〈誰かが僕を笑ってる/ニセものだって言ってる〉から始まり、〈悲しみ抜け出して憂鬱を蹴散らして〉〈僕らはいつだって光の射す方へ行くのさ〉という決意へと至る“Super☆Duper”における率直さには、どうしても心を揺さぶられてしまう。彼女たちは決して、わかりやすさ(=売れること)を求めているのではない。そうではなくて、〈どうしてもこの感情を伝えたい〉という切実な動機をはっきりと自覚しているのだ。

 「たえちゃんが“Super☆Duper”の歌詞を書いてるとき、自分はすぐそばにいたんですよ。〈ここまで書いてええんかな? 恥ずかしい〉って言ってたけど、この曲の歌詞にはすごく共感できるし、〈ウチらの気持ちを言葉にしてくれた〉っていうスッキリした感じもあって」(サキ/トランペット)。

 「以前は〈聴く人によって、いろんな捉え方をしてもらったらいい〉って感じだったから、そこはすごく変わりましたね。ホーンのアレンジをするときも、歌詞をしっかり読み込んで、その世界を表現するにはどうしたらいいか?ってことを考えるし」(リーダー)。

 「いまのウチらに必要なのは、ポップでキャッチーなメロディー」(いかす)という楽曲、森俊之やグレッグ・コリンズ(U2、ノー・ダウト、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなど)をサウンド・プロデューサーに迎えたアレンジメントも確実にレヴェル・アップしている。

 「以前はメンバーに任せてた部分が大きかったけど、今回はアレンジや演奏に関して、言いにくいこともどんどん言いました。みんなでひとつの曲を完成させるっていう意識も強くなってたし、何でも言えるのがバンドかなって思ったので」(いかす)。

 「プロデューサーさんに入ってもらうことによって、やりたいことがちゃんと実現できたっていう手ごたえがあるんですよね」(サキ)。

  また、〈ワープト・ツアー〉に密着したライヴ&ドキュメンタリーDVD「46 ORESKABAND ~WARPED TOUR 2008~」も必見。全米を横断しながらタフなツアーをやり遂げた彼女たちの姿からは、バンドマンとしてのプライド、ひとつひとつのライヴにかける凄まじいまでの想いがまっすぐに伝わってくる(しかも、全員がめちゃくちゃ楽しそう!)。

 「面と向かって〈ファック!〉って言われることもあるし、モノが飛んでくることもあって。でも、うちらにできることは音楽だけやし、だったら、目の前にいる人を楽しませることに集中しようって」(サキ)。

 「〈ええライヴって何やろう?〉って、自分に向き合う日々でしたね。12連チャンとかもあったけど、体力的にはそれほどキツくなかったんですよ。毎日ライヴっていうのが当たり前になってたので」(いかす)。

 10代最後の夏を経て、オレスカバンドはとんでもなく強烈なダイナミズムを手に入れた。こんなにもウソがなく、聴き手に向かってダイレクトに響いてくるバンドは本当に稀だと思う。

 「うちらにとっても、大きな一歩になったと思います。20歳になっても30歳になっても、そのときの思いをぶつけられるバンドでありたいですね」(リーダー)。

▼オレスカバンドの作品を紹介

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