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第410回 ─ KAIKOO meets REVOLUTION!!

連載
NEW OPUSコラム
公開
2008/09/25   01:00
更新
2008/09/25   17:07
ソース
『bounce』 303号(2008/9/25)
テキスト
文/RAW 原田

DJ BAKUが主催した、真にインディペンデントな音楽祭に潜入だ!


  DJ BAKUの呼びかけにより、彼が主催するイヴェント〈KAIKOO〉と、横浜を拠点に開かれているパーティー〈meets★revolution〉が共同で行った巨大なインディペンデント・ミュージック・フェスティヴァル〈KAIKOO meets REVOLUTION〉の模様がDVD化された。横浜にある旧財務省のビルを貸し切り、2日間で70アーティストが参加したこのイヴェント。BAKU自身を筆頭にTHE ZOOT 16、COOL WISE MEN、BACK DROP BOMB、YOUR SONG IS GOODなどなど、ラインナップからして壮観だが、2枚組の本DVD「KAIKOO meets REVOLUTION」では、会場で流れていた映像作品やアートワークのほか、出演アーティストの実演曲を一曲ずつ楽しむことができ、〈オルタナティヴ〉のショウケースともいえる仕上がりだ(なお、THA BLUE HERBら残念ながら収録されなかったアクトもいるので悪しからず)。

 天井が低いオフィス跡を利用したステージは、映像で眺めても学園祭のような距離感がある。二階堂和美のニーナ・シモンをも凌駕するような絶唱や、OKI DUB AINU BANDのトンコリとダブ・ミックスで作られる幻想的な演奏、“テレフォン・ラブ”で展開された曽我部恵一による汗まみれのコール&レスポンス、ドロップ・キック・マーフィーズばりに重厚なTURTLE ISLANDのトラッドmeetsパンクな瞬間……と、場の雰囲気に応じるかのように高密度なライヴが次々と披露されていく様は圧巻だ。また、イルリメとやけのはらが参加するロック・バンド=younGSoundsのように、クラブとライヴハウスの両サイドで活躍するようなアクトがフィットしたのもこのイヴェントならではだろう。

 ほかにもオーセンティックなレゲエで魅せるYOYO-C&Stoned Rockers、BOOM BOOM SATELLITESを支える三浦カオルと平井直樹が異形のロック的ミニマリズムを奏でるユニット=oak、ダブに乗せて強いメッセージを放つこだま和文とKURANAKA、横浜マナーでエンターテインするサイプレス上野とロベルト吉野など、現在進行形でその個性を発揮する演者がひしめき合っている。もちろん、MIC JACK PRODUCTIONとBAKUの共演による“I AIN'T GANGSTA”の再現、MSCの漢とPRIMAL、RUMIといった〈KAIKOO〉ゆかりの演者たちが怪気炎を上げる瞬間もあり、主催者のBAKUが築いてきた信頼と未来への展望がひとつの形を成しているのがクール。混沌としているのが、いい感じなのだ。

▼DJ BAKUの作品を一部紹介。

▼関連盤を紹介。