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第156回 ─ またもや変貌を遂げたZAZEN BOYSの新作を、向井秀徳が紹介!

第156回 ─ またもや変貌を遂げたZAZEN BOYSの新作を、向井秀徳が紹介!(2)

連載
360°
公開
2008/09/25   00:00
更新
2008/09/25   17:14
ソース
『bounce』 303号(2008/9/25)
テキスト
文/加藤 直子

『ZAZEN BOYS 4』がインスパイアされた盤を向井秀徳がセルフ解説! その1

CAPTAIN BEEFHEART 『Doc At The Radar Station』 Virgin(1980)
エキセントリックなサウンドを構築していた音楽家、キャプテン・ビーフハートの11作目にして最高傑作。ぎくしゃくしたビートは日常に潜む狂気を感じさせます。これは常に聴いている一枚です。

ECD 『Crystal Voyager』 Final Junky(2006)
彼の10枚目のアルバムは、不穏な鈍器音、電気音、〈ベース・ミュージック〉と言いたいほど低音が効いています(ぜひ許す限りデカいスピーカーで聴いてほしい)。そしてシンプルな言葉の繰り返しが胸に焼き付きます。

『ノーカントリー』 パラマウント
プロデューサーのデイヴ・フリッドマンがこのDVDを貸してくれました。コーエン兄弟の映画でもっともシリアスな作品です。枯れた砂漠にただただ、アメリカの闇を見ました。新作に収録した“Sabaku”ともリンクして、とても孤独な気分になりました。帰国後に3度も映画館に観に行くくらい、熱にうなされた映画です。

ARTHUR RUSSELL 『Springfield』 Audika
ラリー・レヴァンと共にディスコ・ミュージックを作ったクリエイターの未発表曲集。ここに収められた表題曲のDFAリミックスで聴ける憂いのあるシンセ・リフに刺激を受け、“Asobi”を作りました。

KAKI KING 『...Until We Felt Red』 Velour(2006)
やかましいサウンドにまみれていると、癒しが必要になりますな。そこで聴いていたのが“You Don't Have To Be Afraid”。揺らぎ成分ありまくり。もともとテクニック志向のギタリスト、というイメージでしたが、本作では彼女の歌い手としての才能が如何なく発揮されていると思います。

JOHN FAHEY 『On Air』  On Air (2002)
もうひとつ、癒しのアコギといえばこの人です。USの伝説的なフォーク・ブルース/ブルーグラスのギタリストで、癒しといっても情念がひしひしと伝わってくるアルバムですので、そうリラックスはできません。

FREE BLOOD 『The Singles』 Rong DFA(2008)
レコーディング後ではありますが、ブルックリンに立ち寄った際に噂を聞いた、元!!!のジョン・ピューが所属するグループ。現在のNYアンダーグラウンドを代表する存在だそうな。パーティーの狂騒とファンタジーをカンジる一枚(パーティーにはあまり行きませんが)。

MILES DAVIS 『Miles Davis At Fillmore』 Columbia(1970)
NYのスタジオには大量の古いレコードがあり、なかでもジャケがボロボロだったコレを毎日爆音で鳴らしていました。彼の演奏はとても激しく、鋭く、特に“Bitches Brew”のエコーまみれな掛け合いは、凄まじくサイケデリックで中毒になります。