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第55回 ─ Cargo

連載
SPOTLIGHT!
公開
2008/07/31   21:00
ソース
『bounce』 301号(2008/7/25)
テキスト
文/澤田 大輔

夏を爽やかに彩る〈歌ものハウス〉の決定盤!


  i-depと並んでAZtribeを代表する男女4人組ユニットのCargoが、3枚目となるフル・アルバム『Morning Star』を完成させた。クロスオーヴァーなクラブ・ミュージックから出発し、リリースを重ねるごとにハウスへ傾倒してきた彼らだが、こちらの新作では〈歌ものハウス一点突破〉に堂々とトライしている。乙女殺しのメロディーが炸裂するリード・トラック“For The Light”、降り注ぐピアノ&ストリングスに昇天しかける“FREE”、トランシーな音使いで原曲の昂揚感を増幅させた“Can't Take My Eyes Off You”のカヴァーなど、全9曲を迷いのないイーヴン・キックが貫く。持ち前の職人的な音作りもますます冴え渡り、ハウスをハウスのままポップスとして聴かせてしまう芸当には唸らされっぱなしだ。爽やかでキラキラしていてメロディアスで……という現行の国産ハウスに求められるサウンドをパーフェクトに体現してみせた『Moning Star』は、古典的なNYハウスの流儀にどこまでも忠実ながら、しかし2008年の日本でしか生まれ得ない音楽と言えるだろう。この夏のダンスフロアを席巻するのは間違いないけれど、その熱気がJ-Pop方面にも波及したらおもしろいことになりそうだ。これだけキャッチーなセンスを備えているCargoには、今後アイドルのプロデュースなんかも期待したいんで!