キュートでイカした〈純音楽志向ユニット〉がお目見えよ!

〈よく出来たガールズ・ポップ〉を想像して聴くと、少々ヤケドをするかもしれない。UKにおけるニューレイヴの代表的なバンド、シットディスコがプロデュースした2曲も収録されている80_pan(ハレパン)のニュー・アルバム.『DISCO BABY』。重低音を効かせたバキバキのエレクトロと、フリーキーに飛び交うヴォーカル――まさに世界標準のニューレイヴ・サウンドが飛び出す一枚だ。
80_panとは、京都出身のガールズ・デュオである。2005年に3人組アイドル・グループ=ハレンチ☆パンチとしてデビューしたが、メンバーの脱退&グループ名の改名を経て、現在のTomomi(ヴォーカル)とMaco(MC/コーラス)の2人組に。その後、本人たちが好きだというロック/ヒップホップへと接近し、いよいよ今作で全貌をあきらかにしたというわけだ。
シットディスコがプロデュースを手掛けたナンバーでは、彼らの持ち味であるスペイシーな音作りと、80_panのキュートで摩訶不思議なヴォイスが見事に融合。クールな冒頭曲“crazy”から野太いベースが唸る2曲目“放置民”への流れは、シットディスコのファンも楽しめる仕上がりといえるだろう。また、Tomomiのガーリーなリリックも魅力的で、カタカナ英語を駆使したブッ飛びワールドを体験してほしい。
さらに、ピペッツのジョン・ファルコンのペンによるボートラでは甘い歌モノを披露し、音楽性の幅広さも窺わせている。今後が楽しみな〈純音楽志向ユニット〉の登場だ。
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