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第78回 ─ イタリアン・ジャズ

第78回 ─ イタリアン・ジャズ(2)

連載
Discographic  
公開
2008/05/15   19:00
ソース
『bounce』 298号(2008/4/25)
テキスト
文/大江 雅幸、桑原 シロー、高木 雄一郎、吉村 健


BASSO VALDAMBRINI QUINTET 『Basso Valdambrini Quintet』 Music/Dejavu(1959)
イタジャズの名作の多くにその名を刻むサックス奏者のジャンニ・バッソとトランペッターのオスカー・ヴァルダンブリーニによる双頭コンボ。かの地のジャズ・シーン発展に大貢献した代表作だ。人気曲“Lotar”を収録。
(吉村)


TRIO TOMMASI 『Zamboni 22』 Adventure/Rearward(1960)
ウェストコースト・ジャズ~ハード・バップ系が中心であった当時のイタジャズ界に、ピアニストのアマデオ・トマシなど、20代前半の演奏家らがモード奏法を導入した意欲作。軽快なタッチが鮮やかな表題曲、ジョン・コルトレーンに捧げた“Coltrane”が聴きもの。
(大江)

MODERN JAZZ GANG 『Miles Before And After』 Adventure/Dejavu(1960)
50年代半ばにローマで結成されたグループで、サックスのエンゾ・スコッパなどが参加していた。マイルス・デイヴィスへのシンパシーを表明したこのモード盤は、5管を配してビッグバンド的な厚みのあるアンサンブルを聴かせる。
(大江)


CHET BAKER SEXTET 『Chet Is Back!』 RCA(1962)
ドラッグによる服役後の復帰第1弾は、ピアノのアマデオ・トマシ、ドラムスのダニエル・ユメールという新進の欧州ジャズメンらとハード・バップ・セッションを行った痛快なイタリア録音盤だった。イタリアを愛し、愛された彼は晩年もこの地で録音を残している。
(高木)


ERALDO VOLONTE 『Jazz(Now)In Italy』 Equipe/Rearward(1966)
ジョン・コルトレーンの影響を強く感じさせるサックス奏者が、モードとフリーを見事に消化した傑作アルバム。力強くもインテリジェンスに溢れたそのプレイは、現代のイタジャズ・シーンにも脈々と受け継がれている。
(高木)

MARCO DI MARCO TRIO 『At The Living Room』 Modern Jazz/Soundhills(1973)
ネイサン・ヘインズとのコラボ作を通じて、クラブ・シーンでも人気を高めたピアニストによるトリオ作。時にエレピを使用しつつ、三位一体で奏でられる美しい楽曲群。この時代、どこの国にもこんなジャズはなかった。
(高木)

GIORGIO AZZOLINI 『Azzolini's Spanish Portrait』 Jazz D'essai/Dejavu(1973)
〈イタリアのチャールズ・ミンガス〉と呼ばれるベーシストの隠れた名品。エラルド・ヴォランテらと共にジャン・リュック・ポンティのジャズ・ファンクなカヴァーを行ったり、70年代初頭の空気を色濃く反映させている。
(桑原)

ENNIO MORRICONE 『Il Gatto』 Cinevox(1977)
イタリアほどジャズメンが映画音楽界の作曲家らと積極的にコラボを行ってきた国はないと言われたりもする。オスカー・ヴァルダンブリーニが華麗なフリューゲル・ホーンを奏でるこの人気サントラ盤などは、両者の華麗なる関係を示した好サンプルだろう。
(桑原)

VALDAMBRINI -PIANA QUINTET 『Afrodite』 Vedette/Rearward(1977)  
妖しげなジャケットが何とも印象的な、ヴェデットに残されたオスカー・ヴァルダンブリーニとディナ・ピアナの双頭コンボ盤。60年代的なモーダル・ナンバーに、ウェストコースト・スタイルの軽快な曲もあり、歴史を感じさせる一枚だ。
(大江)

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