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第29回 ─ ドゥー・ユー・リメンバー?

ESSENTIALS ギタリズムに溢れた名作たち

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2008/03/13   21:00
ソース
『bounce』 296号(2008/2/25)
テキスト
文/林 剛

THE WATTS 103rd STREET RHYTHM BAND 『In the Jungle, Babe』 Warner Bros./Rhino(1969)
EW&F加入以前にアルが正式メンバーとして参加していたのが、チャールズ・ライト率いるこの〈103丁目バンド〉だ。ウィルソン・ピケットやスライのカヴァーでもアルはファンキーにギターを刻むが、当初乗り気ではなかったというオリジナル・ナンバー“Love Land”での小気味良いプレイこそ、いま思うと彼の真骨頂という気がしてならない。リイシュー盤には8曲を追加。

MIKE JAMES KIRKLAND 『Hang On In There』 Bryan/Pヴァイン(1972)
上掲の〈103丁目バンド〉に在籍していた頃に同僚のジェイムズ・ギャドソンらと参加したマイク・ジェイムズ・カークランドの初作。3人のギタリストがクレジットされている本作でアルのプレイを特定するのは難しいが、彼らしいリズム・ギターのフレーズはところどころで聴ける。CD化に際して追加されたシングル曲“The Prophet”でのファンキーな刻みは、あきらかにアルのものだ。

ISAAC HAYES 『At Wattstax』 Stax/Concord 
サミー・デイヴィスJrのバンドを脱退した直後、アルはアイザック・ヘイズのバック・バンド=ムーヴメントに招かれ、5~6か月在籍していた。しかも、ちょうど〈Wattstax〉のコンサート開催(72年)が加入時と重なったことで、アルはあの“Theme From Shaft”のギターを刻んでいるのだ(演奏シーンは映画でも観られる)。ライヴの全貌が明かされた本盤でアルの勇姿に触れてほしい。

DENIECE WILLIAMS 『This Is Niecy』 Columbia(1976)
モーリス・ホワイトの主宰するカリンバ・プロダクションがエモーションズと同時期にバックアップした、このデニース・ウィリアムズのデビュー作にもアルはもちろん参加。彼が頭角を表しはじめたEW&F上昇期の作品ということで、ギターを中心としたEW&F流のリズミカルで小気味良いグルーヴが全編で展開されている。著名な“Free”以外にも名曲だらけで、まさにアルがいてこその内容だろう。

BLUE MAGIC 『The Very Best Of Blue Magic : Soulful Spell』 Rhino 
フィリー・ソウルの名門グループ、ブルー・マジックにもアルは関与していた。当時EW&Fに楽曲提供していたスキップ・スカボロウがプロデューサーとして関与した77年のアルバム『Message From The Magic』に、アルは他のEW&Fメンバーたちと参加したのだ。このベスト盤に収録されているのはフィリップ・ベイリーらが書いた“I Waited”のみだが、アルらしいプレイは十分に楽しめる。

EARTH, WIND & FIRE 『I Am』 ARC/Columbia(1978)
かの“September”のヒット後にリリースされたアルバム。ここで外部メンバーの大幅起用に踏み切ったモーリス・ホワイトと衝突するアルだが、スティーヴ・ルカサーらが入ってこようと、どうしたって目立つのはアルのカッティング・ギターだ。しかもエモーションズをフィーチャーした本作からのヒット“Boogie Wonderland”はモーリスとアルの共同制作。やはりアルはEW&Fの重要ブレーンだった。

FINIS HENDERSON 『Finis』 Motown/ユニバーサル(1983)
〈夏の定番AOR〉といった趣の本作は、EW&Fを抜けて間もないアルの全面プロデュース作品だ。このフィニス・ヘンダーソンは、父親がサミー・デイヴィスJr一派だったことをきっかけに芸能活動を始めたそうで、アルもかつてサミーのバックを務めていたから、繋がりがあったのだろう。ボサノヴァまで飛び出す軽快で爽快なスキップ感は、まさしくアルならではのセンスだ。

THE TEMPTATIONS 『Gold』 Motown 
フィニス・ヘンダーソンの上掲作から数年後、アルはふたたびモータウン仕事を手掛けている。EW&Fの元同僚であるラルフ・ジョンソンと共同制作したテンプテーションズの86年作『Truly For You』がそれ。特に本ベストで聴ける歯切れの良いダンス・ナンバー“Treat Her Like A Lady”は80年代テンプスの代表曲となり、アルのリズム感の良さを証明した。なお、同曲のリードを務めたアリ・オリとの絡みはその後も続いていく。

SHIRLEY JONES 『Always In The Mood』 Philadelphia International/Edsel(1986)
ジョーンズ・ガールズきっての美声の持ち主、シャーリーのソロ作にもアルは関わっていた。テンプス作品で同席していたアタラ・ゼイン・ジャイルズと共同で“I'll Do Anything For You”“Caught Me With My Guard Down”というミドル80'sらしい重厚なダンス・チューンを制作している。クォリティーはフィリー勢による他曲に軍配が上がるものの、この勢いを買いたい。

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