MARISA MONTE 『Universo Ao Meu Redor』 Phonomotor(2006)
MPB界の頂点に立つ歌姫も、生粋のカリオカだけにルーツはサンバ。デビュー時からその萌芽は見えていたが、今作ではズバリ、サンバをテーマに彼女の宇宙観を表現。冒頭から気分はすっかりサウダージ。サンバってこんなに色香のある音楽だったのか。
SEU JORGE 『Cru』 Favera Chic/Naive(2004)
映画「シティ・オブ・ゴッド」の世界さながら、リオのファヴェーラで身に付けた抜群のリズム感。ジョルジ・ベンのファンクネスを受け継ぐ一方で、サンバの愁いを表出するセクシー・ヴォイス。サンバが黒い音楽だということを再認識させてくれる一枚だ。
MARCELO D2 『Meu Samba e Assim』 Sony BMG(2006)
セルジオ・メンデスの『Timeless』にも招かれたブラジリアン・ヒップホップの才人である。〈これぞ俺のサンバだ〉とばかりにカヴァキーニョのリズムに乗せて、ライムを吐き出していく。ゼカ・パゴジーニョと共演した“Dor De Verdade”でのオーソドックスさには驚き。
OS RITMISTAS 『Os Ritmistas』 NRT(2007)
〈+2〉プロジェクトのリズム・マスター、ドメニコの新ユニットだ。音響系の実験的なサウンドを追求する反面、“O Que Aconteceu”ではオルケストラ・インペリアルにも参加するヴェテラン・サンビスタのウィルソン・ダス・ネヴィスを迎え、本格的なスロウ・サンバを披露。
RODRIGO MARANHOAO 『Bordado』 MP,B(2007)
オルケストラ・インペリアルに匹敵するパーティー・バンド、バンガラフメンガを率いる若獅子。ホベルタ・サーに書いた“Olho De Boi”やマリア・ヒタも歌った“Caminho Das Aguas”を弾き語りでセルフ・カヴァー。彼が監修した新世代サンバ・コンピ『Samba Novo』も必聴。
MARIA RITA 『Samba Meu』 WEA Latina(2007)
鳴り物入りでデビューして早くも3作目。ここまでサンバのリズムが鳴り響く作品を作るとは意外ながら、驚くべきクォリティーを誇る。パゴージ界の大御所、アルリンド・クルースを迎えるなどの先達をリスペクトする姿勢には、亡き母のエリス・レジーナも天国で微笑んでいるはず。