〈キング・オブ・ステージ〉ぶりは日本武道館でも変わらない!

2枚組のベスト盤『メイドインジャパン ~THE BEST OF RHYMESTER~』やプロモ・クリップをまとめた同名のDVDを通じて、年頭にキャリアを総ざらいした2007年のRHYME-STER。そうした一連のリリースの仕上げとして同年3月に日本武道館で行ったステージが、DVD「KING OF STAGE VOL.7~メイドインジャパン at 日本武道館~」でお目見えした。曲間のMCも合わせてステージの模様を漏らさずに収録した特典映像を含むこの2枚組のDVDは、活動休止に至ったグループの歴史をベストな選曲で映す、これまた総決算のひとつに。ヒップホップのオリジナル・フォーマットたるターンテーブルにマイクといった形態、アーティスト同士の結びつき(ゲストは総勢71人!)をパッケージし、まさにヒップホップの教科書のようなショウを展開している。ステージに重みを刻みつける一方で、この舞台に初めて立つにはややオールド・ルーキーな身の上を、曲名にもある〈働くおじさん〉的な自虐めいたアマチュアリズムで笑いめかして進行するステージングが彼ららしい。当時があって現在があることを見せつけたZEEBRAと衰えぬK DUB SHINEが最高の見せ場を作る“口から出まかせ”、節目のステージにひときわ鮮やかな進行形の彩りを加えるFIRE BALLとの“HEAT ISLAND”あたりは観逃せないクライマックスだろう。