KING GEEDORAH 『Take Me To Your Leader』(2003)
もちろん日本の3人組とは関係なく……地下世界を徘徊する怪しい鉄仮面、MF・ドゥームが90年代から用いていた変名で唐突にドロップした野心作。ドゥーム特有の才気走ったラップが意外とストレートなサンプリング・ループに絡み、ディープな空気感を醸し出す。
(出嶌)
THE MAJESTICONS 『Beauty Party』(2003)
NYの詩人であるマイク・ラッドが、中身にこだわるインフェスティコンズと外見重視なマジェスティコンズの闘いを描いた3部作の第2弾。両者の衝突を通じてヒップホップや社会の構造を……と敷居は高めだが、激しいラップにシンガーも交えた音はユニークで楽しい。
(出嶌)
NEPHLIM MODULATION SYSTEMS 『Woe To Thee O Land Whose King Is A Child』(2003)
ダダからソロ作も発表している元カンパニー・フロウのビッグ・ジャスと、マスターズ・オブ・ザ・ユニヴァースのオルコが組んだ、US東西アングラ大関のユニット。アブストラクトな音塊の構築にはディプロも加担していた。
(出嶌)
PART 2 『Live From The Breadline』(2005)
ニュー・フレッシュのビート職人による初のソロ作。レゲエとヒップホップをベースに革新的で多彩なトラックでアルバム一枚を埋め尽くした怪作。スウィッチやRUB-A-DUB MARKET、トゥー・カルチャー・クラッシュなどが作り出す異端レゲエが好きな人ならたまらないはず!
(櫻井)
ROOTS MANUVA 『Awfully Deep』(2005)
押しも押されぬビッグ・ダダの大黒柱は、他に類を見ない世界観だからこそ孤高と評されるのだろう。ダークでディープなサウンドに内省的なリリック、そして宣教師のようなフロウは、この3作目にして頂点を極めた。みぞおちにジワジワ効いてくるトコがたまらないのだ。
(池田)
SPANK ROCK 『Yoyoyoyoyo』(2006)
ボルティモア・ブレイクスにバイリ・ファンキ、マイアミ・ベースにダンスホール・レゲエ……と世界中のケツを揺さぶるゲットー・ミュージックをベースに、独自の珍妙かつキャッチーなパーティー・ミュージックを作り出した衝撃作。ケツの振りすぎでフロアが壊れたって噂もあるYO!!
(櫻井)
NEW FLESH 『Universally Dirty』(2006)
パート2のどこまでも革新的なプロダクションと、2MCのコンビネーションが到達したUKヒップホップの最高到達点。3作目ってことで、もはや〈FOR OLD〉じゃなくて〈FOR EXTRA NEW〉な感じの、1万歩は先を行った傑作であります。LSKが参加した煙たいステッパーも聴きモノ。
(櫻井)
CADENCE WEAPON 『Breaking Kayfabe』(2007)
元はアッパークラスというレーベルから登場したカナダ産ヒップホップなんですが、その奇怪でユニークなビートを買われてか、UKではめでたくビッグ・ダダからライセンス。同郷のクロメオなんかともちょっぴり共振しそうなエレクトロ具合がイイ塩梅です。
(櫻井)