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第2回 ─ Sunset

連載
Leyona の Sweet Soul Music
公開
2007/10/11   02:00
更新
2007/10/11   17:25
ソース
『bounce』 291号(2007/9/25)
テキスト
文/編集部

Leyonaが〈心のグッド・ミュージック〉を紹介するこの連載、第2回のテーマは〈Sunset〉。
黄昏色のしっとりとした時間によく映える新旧の名曲をズラリ並べてみました!

BONNIE RAITT/Nothing Seems To Matter
  ボニー姉御のセカンド・アルバムに入ってる名バラード! 昔、吉祥寺のソウル・バーでバイトしてた時にこのレコードをよくかけてて……懐かしいなぁ~(笑)。サビの〈Darlin~♪〉ってところでもうグッときちゃう。私、上手に〈ダーリン表現〉ができるシンガーって好きなんですね。綺麗でキュートなのにボトルネックをバリバリ弾くのもいい! 私はシングル“Travellin’Man”のB面でカヴァーしてます。それだけ思い入れのある曲。

THE BAND/I Shall Be Released
  ザ・バンドのファースト・アルバムに入っているボブ・ディラン作の名曲ですね。これも昔のバイト時代の思い出の一曲だけど、片付けする時によくこのアルバムのアナログ盤を聴いてたんです。“Lonesome Suzie”のところで片付けの手が止まっちゃってました。そしてB面のラストにこの曲。夕暮れっていうか、なんか〈エンディング〉な感じがあるかな。アルバムでの位置もそのイメージに関係しているんだけど。

CURTIS MAYFIELD/So In Love
  ヘタに説明しようとすると、曲の本当の良さから遠のいちゃいそうになるなぁ。だから……何にも言えない(笑)! メロウなサウンドの長いイントロがあって、タメまくってからあのファルセットのヴォーカルが出てきた瞬間、涙ドーッ、みたいな。若い頃は、こういう音の隙間が魅力的な曲の良さがわかんなかったけど、歳を重ねると、たまんない!と感じるようになるわけですよ。夕暮れ時とか関係なくいつ聴いても泣ける一曲ですね。

JOHN HIATT/Tip Of My Tongue
  オレンジ色に染まった田舎の道をドライヴしながら聴いている、そんなシチュエーションが浮かぶんですよね。ほんのりとしたカントリー・テイストがあって。カントリー系だとこのぐらいの温度感が好きですね。本作に収録されている“Thing Called Love”を大好きなボニー・レイットがカヴァーしていることもポイント高いかな。そのアルバムは参加しているミュージシャンがライ・クーダーやニック・ロウというのもいいですね~。

JOHN MAYER/The Heart Of Life
  ようやくこのリストに若手が登場ですね(笑)。最近好きになったんですよ。それまでは、スティーヴィー・レイヴォーンばりのギターを弾くなぁ、ぐらいにしか思ってなかった。でもこのアルバムを聴いたら、いろいろと音楽を知っていて、それをメジャーのフィールドで上手く出す術を心得た人だな、って感心した。この曲は、夕暮れに入っていく手前の昼下がりの終わりって感じがする。電車に乗ってのんびりと、窓の外を眺めながら聴きたいかな。

CHRIS PIERCE/Someday
  もう歌が上手い上手い(笑)。彼の音楽には凄くソウルを感じるんです。この新作も実にソウルフルで、私はちょっと悔しかったというか……。しっかりとルーツを持ってて、歌の説得力が格段に違う気がする。今回、私が彼の曲に歌詞をつけるコラボレーションを行ったわけです。当初“We Shine”って曲だったんだけど、私が歌詞を“Someday”に変えたら、彼もそう歌ってくれて。嬉しかったですね。夕暮れ曲のスタンダードになればいいな。

THE EAGLES/Best Of My Love
  夏が終わって秋の入り口が見えて――ちょっと切ない感じを考えてたらこの曲がパッと思い浮かんだ。彼らのバラードということでは“Desperado”とどっちがいいか迷ったんです。サビのコーラス部分が凄く気持ち良いですけど、こういうふうに全員のハーモニーがバシッと決まるバンドって日本にはなかなかいないですよね。憧れを抱きます。そうそう、UKのレゲエ・バンド、アスワドのカヴァーも最高に良いので、チェックをオススメします。

SADE/Kiss Of Life
  彼女はいま、私のなかでいちばん旬な女です。同じ時代に生きている女性シンガーとして最高に素晴らしい人。もう……いい女(笑)! ぜひ〈フジロック〉とかで観たいなって思う。ライヴDVDで動く彼女を観たんですけど、緩やかな動きに大人の余裕が感じられて、それでいて凄くクールで。あと可愛いですしね。そうそう、ライヴの歌の途中で、大事な歌詞のところであえて歌わなかったりするんですよ。ピタッと歌うのを止める、そのカッコよさったら! 鳥肌立ちましたね。

NEIL YOUNG/On The Beach
  このアルバムのジャケットがとにかく好きなんですよ。夏が過ぎ去ってしまった寂しげな感じが良く出てて。そのイメージのまんまのタイトル曲。ニール・ヤングのこと、実は最初ダメだったんですね。〈この人、歌上手いのかな?〉って思えて。でもいろんなアルバムを聴き進んでいくうちにどんどん好きになって。激しいことやったり、穏やかな面を見せたりと本当に極端な人ですけど、絶えず真っ直ぐなメッセージを発しているところが素晴らしいですよね。

CLASSICS IV/Stormy
  ジョン・レジェンドが“Save Room”でこの曲を引用してましたよね。最近はそれで知られている。夜のムードも少し入り込んでるかな。彼らは60年代の終わりに活躍した白人のコーラス・グループですけど、歌声の黒っぽい感じが最高です。とにかく声だけで十分に人を説得させられる人に惹かれますね。サウンドはちょっと洗練された感じですけど、ツルっとした感じまでいかない、こういうアナログ盤が似合う洗練って好きなんですよね。

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