オレスカバンドの日常に迫る連載! 今月は全米7都市を周った〈ワープト・ツアー〉スペシャル!ってことで拡大版でお届け!!

半年間で3度目となる渡米(翔べぇ~い)となったオレスカバンド。今回は、8月17~25日の10日間で7都市、全行程2000kmをバスで移動するという全米最大級のフェス〈ワープト・ツアー〉終了直後の彼女たちに国際電話で話を訊きました。
――初めての全米ツアーだし、初めてのバスでの移動だったけど過酷だと感じた?
リーダー「ワープトは過酷って聞いてたし、〈バスで移動するってどんなんやろ?〉って思ってたんだけど、あんなにデカいバスとは思わず結構快適でした。湯沸かし器も電子レンジも冷蔵庫もあるし、ベッドもトイレもあって」
――ワープトは全部自分たちでチラシ配りやポスター貼りといった客集めをしなくちゃいけなくて、現地のバンドでも観客が十数人しか集まらないこともあるシビアなツアーとして有名だけど、実際どうだった?
いかす「行くまでは〈どう乗り切ろう?〉とか、〈この状況をどう楽しむかがポイントやな〉ってずうっと思ってたんだけど、実際はウチが思ってたよりはるかにお客さんの反応が良かったんでビックリしました。ホント、〈なんか楽しそうだぜ!〉みたいな顔でどんどん集まってくるんですよ(笑)」
サキ「手渡ししたフライヤーをウチが見てる横でも捨てるんですよ。〈コイツらムカつくわ!〉って最初はメチャ落ち込んでたんですけど、それが〈お前ら見とけよ!〉っていうやる気になった」
とみ「今回の経験で、全員に好かれようって気持ちはなくなりました。ビラ配りしてるときも〈No, thank you〉って言われるし、無視もされるし、バカにもされるし。だから、ビラを渡して来てくれる人がいるっていうことがわかってスゴイ嬉しかった。ほんまにその人たちと、自分たちと、自分たちを助けてくれるスタッフの方たちのために音楽をしてればいいなって」
――ライヴの反応はどうだった?
いかす「みんな〈Awesome, awesome〉(サイコー、サイコー)って言ってくれて。ウチらのツアー・スタッフさんが前にフィッシュボーンを担当してたことがあったみたいで、楽屋裏で彼らに〈Say hello〉して、その後ウチらのライヴを観てくれたんですよ。そうしたら、〈君たちはシンプルに音楽を楽しんでいる。自分がすべきことを全力でしていて、それ以上でも以下でもない〉って言われて、なんか自分たちがしたいことがちゃんと伝わって、理解してもらっているってことがわかって嬉しかったです」
――サクラメントでは当日の朝、地元のTV番組に生出演したんだよね?
いかす「最初2曲の予定だったんですけど、TV局のスタッフの人たちがテンション上がって〈もっとやっていいよ!〉みたいになったから、結局4曲やって。そうしたらワープトで〈今日観たよ! 良かったよ!〉って結構言われて、TVで広がっていく感じっていうのがわかって良かった」
――じゃあ最後に、初めてワープト・ツアーに参加してみての感想を。
リーダー「身体中でエンジョイするっていうのがオレスカの音楽だって、ステージ上での楽しみ方を知ったような気がします」
もりこ「今回は7回だけだったんで物足りなかった。〈来年どうしたらワープトに全部参加できるのか?〉ってずうっと話し合ってるんですよ。今回のツアーでは、〈みんなで協力し合うぞ〉っていうのがあって良かったです。誰も助けてくれないから、〈自分がやらなきゃ誰がやるねん!〉っていう気持ちにさせてくれた」
たえさん「誰も知らんし、誰も気にしてくれんって状況のなかで、〈自分らはいま何をしたいんやろ?〉って考えさせられたし、すべて自分でやらなくちゃいけなかったから、個人的にいい経験だったと思います。最初は、できひんことが恥ずかしかったりしたんですけど、やってるうちに最後には〈できるんや!〉って気持ちに変わってきて楽しくなった。〈なんだ、通じ合えるやん〉っていうのに気付いたり、〈できるやん、友達!〉って(笑)」
いかす「ワープトが終わってスゴイ哀しいです。ビックリするくらい楽しかったから。スゴイ自分に余裕ができた気がします。いちばん良かったのは、自分たちが自分たちの目で見て、自分たちの手で何かしたってこと。最終日のLAではすべての感情が出た気がして、初めてステージで泣きました。楽しいだけじゃなくて、ウチらのことを見向きもしないお客さんたちに〈聴いていってよ!〉っていう思いもあったし、いま思ってるすべてが出せたから、自分のなかで何かが一枚破れた感じがしました。これからもっともっと新しいことをしていきたいと思ったし、自分たちでできることはいっぱいあるってことがわかったのも良かった。映画をきっかけに、またアメリカをツアーをしたいですね」
PROFILE
オレスカバンド
大阪は堺で結成された、18歳の6人組スカ・ロック・バンド。全米デビュー・アルバム『ORESKABAND』(TERRY DOLLAR RECORD$)を引っ提げた世界最大のパンク・フェス〈ワープト・ツアー〉参戦も無事終了。現在はその勢いのまま、〈第2のホーム〉となりつつあるLAはハリウッドにて、自身が主演&音楽を担当する映画のサントラ・レコーディング&撮影に突入中! 最新スケジュールは〈www.oreskaband.com〉でチェック!