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第1回 ─ My Roots

連載
Leyona の Sweet Soul Music
公開
2007/09/06   18:00
更新
2007/09/06   18:04
ソース
『bounce』 290号(2007/8/25)
テキスト
文/Leyona

Leyonaが〈心のグッド・ミュージック〉を紹介する連載がスタート! 第1回のテーマは〈My Roots〉。
シンガーとしての彼女を育ててきたパパ&ママたちの楽曲を愛情タップリに語ります!

OTIS REDDING/Hard To Handle
  有名な“(Sittin' On)The Dock Of The Bay”とか以前はよくわかんなくて、リズミカルな曲のほうが好きでした。最初は喉の奥になんか引っ掛かっているような歌い方をするなって思った。そんな違和感もあったけど、どんどん好きになっていった。忌野清志郎さんが大好きだったってことも影響してるかな。もぉ~バラードがサイコー。この歌の表現力、とても20代とは思えないですよね。いつまでもずっと年上の人ってイメージがあるなぁ。

SAM COOKE/Only Sixteen
  オーティスも尊敬していたソウル・ミュージックの宝的な歌手ですね。オーティスとは違う大衆性を持った人で、童謡みたいなメロディーも歌っていたりして、ソフィスティケイトされた味を持ってる。もう、ソウルフル!としか言えない声の持ち主。高校時代は毎朝彼の歌を聴きながら、山の手にある学校に登校しました。自転車でね。彼に〈がんばって学校行きな〉って励まされてたんですよ(笑)。テンション上げるのにうってつけの音楽だったしね。

ARETHA FRANKLIN/Think
  私、女性シンガーをほとんど聴かなかったんです。男性一辺倒。でもアレサを聴いたときは、若いながらもただただすごい!と圧倒させられた。お腹の底からソウルを吐き出すような歌い方に、モ~恋してしまいました。体験したことのない世界に連れてってくれたんです。ファンキーな歌もバラードでのしっとりした歌もどちらも好きです。とにかく彼女の良さについては言葉で表現できない! 故郷みたいな音楽、女性シンガーなんですね。

STEVIE WONDER/A Place In The Sun
  10代のスティーヴィーが大好きなんです。最近の独特な〈ア~ア~ア~~~〉って歌い方はちょっとお腹いっぱいになったりするけど、この頃の彼はほんとサラッとしていて。でも凄くソウルを感じる。声も好きだけど、歌詞のメッセージが素晴らしい! 誰もがすぐ口ずさむことができるメロディーはもちろんのこと。彼も故郷のような人で、初心に帰るために聴くことがよくあります。彼の歌はいろんなことをリセットしてくれるんですよね。

THE PLATTERS/Sixteen Tons
  “Only You”で知られるコーラス・グループですね。私が初めて自分で買ったのが彼らのCDでした。中学1年のときに。父親がこの曲の日本語カヴァー、小坂一也さんのヴァージョンをよく歌ってたんですよ。〈おいらの商売~♪〉って。ただ〈煙が目にしみる〉みたいなスウィートな曲もあったりして、へぇ~と思った。デビューしたての頃、ライヴで“Sixteen Tons”をSEにしてたこともありましたね。……ほんと、メジャー感まるでなしですよね(笑)。


収録アルバムは、プラターズのベスト盤『The Platters Golden Hits』(Mercury)

JANIS JOPLIN/Try
  最初に彼女の歌を聴いたときは、なんでみんなカッコいいって言うんだろ?って不思議でならなかった。機械みたいだって思った。でも聴き込んでいくうちにどんどんハマっていっちゃって……。黒人音楽がすごく好きだった彼女がずっと、黒人のように歌いたい!って憧れ続けてた感じにも若い頃は共感してたんですよ。顔クシャクシャにしながらシャウトしたりするところ、すごく可愛いと思いません?

ARTHUR CONLEY/Sweet Soul Music
  有名なサザン・ソウル・シンガーのヒット曲ですけど、これは単純に大好きな曲なんです。ジャケットにセクシーなお姉ちゃんが写っていて、〈そうか、そういうこともできるんだ〉って知ったアルバムでもあります(笑)。自分がいいと思った音楽、それはきっと私にとっての〈Sweet Soul Music〉だって信じてます。時々くじけそうになったりしながら……。この世にはいろんな音楽がある。皆さんも自分の〈Sweet Soul Music〉を探し続けてください!

MARVIN GAYE/Let's Get It On
  こんなセクシーな人がこの世に存在していいのか!?って感じ。その彼の魅力が凝縮された曲ですね。歌い出しがサイコー。“Sexual Healing”のプロモ・クリップを観たことがあります? 私は最初観たとき、〈サイテ~、なんだこれ?〉って思いましたよ。でも大人になったら、いろいろとわかるようになるものなんです。セクシーってなんたるか、とかね。そういう勉強をソウル・ミュージックをたくさん聴くことでやらせていただいてます。ソウルは私の人生の教科書です。

SLY & THE FAMILY STONE/Que Sera, Sera (Whatever Will Be, Will Be)
  いまの時代にすごく馴染んでるアルバムだと思うんですよ、『Fresh』って。聴いてて思いますもん、オイシイ曲たくさん揃ってんな~って(笑)。チープ感とかスピード感も新しいし、ところどころに顔を出す、バカっぽい味(笑)もたまんなく良くて。この〈Que Sera, Sera〉はドリス・デイの代表曲で、ペギー葉山さんも歌ってましたよね。スライ・ヴァージョンのこれは……もうズルい! よく泣いてたなぁ、これ聴いて。

BOB MARLEY & THE WAILERS/Waiting In Vain
  私のルーツとして絶対に外せない人。巷に流れていたポップで軽めなレゲエに馴染めないなか、す~っと流れ込んできたのがボブの音楽でした。最初はあまりジャンルを感じなかったって理由もあるのかな。とにかく私にとってソウル・シンガーなんです。そういえば、彼がライヴの直前に“Redemption Song”をメンバーに歌って聴かせてからステージに向かってたって話があって。カッコ良すぎだぞ、お前って感じ(笑)。私もそういう曲作んなきゃ!

Leyonaの耳寄り情報

 現在、NapsterにてLeyonaのセレクションによるプレイリスト連載を実施中。6か月連続でリリースされる配信限定シングルと併せてチェックしてみて! また、彼女を監修に迎え、〈音楽と暮らすLeyonaの凛スタイル〉をテーマに、マンスリーで紹介するウェブ・マガジン〈Sty-Lyn〉も公開中。ゲストを迎えてのトーク・コーナーなどもあるので、こちらも要チェックです!

napster
http://www.napster.jp/music/event/leyona.html
Sty-Lyn
http://www.jvcmusic.co.jp/sty-lyn/

PROFILE

Leyona
ジャンルを越えて音楽をこよなく愛するシンガー。レゲエやブルースなどさまざまなグッド・ミュージックにインスパイアされた音楽性と、存在感のあるワン&オンリーなヴォーカルによって独自の世界観を表現している。最新アルバムは今年リリースした『Rollin' & Tumblin'』(スピードスター)。配信シングル第4弾となる“Someday”は9月1日より配信開始予定