テクノ・マエストロ、石野卓球が主宰する恒例の巨大屋内レイヴ〈WIRE〉。ひと夏の締めくくりにふさわしいオールナイト・パーティーが、今年も横浜アリーナにて勃発です。そんな〈WIRE07〉の出演アーティストの中から、bounce.comがおすすめするアーティストの作品をずらりとご紹介いたします!!
VARIOUS ARTISTS
『WIRE07 COMPILATION』Loopa(2007)
〈WIRE〉予習には欠かせない公式サウンド・テキストが今年も登場! 人気エレクトロ組のモーター、変態テックなレディオ・スレイヴ、ロック&ゴシックなブラック・ストロボ、プログレッシヴ・ハウス上がりのスピリット・キャッチャー……などなど、従来のWIRE色からはみ出た面々が大量参入する〈WARE07〉。そんなラインナップを反映し、今回のコンピは、ほとんど〈エレクトロニック・ダンス・ミュージックの総見本市〉的な様相を呈しております。がっつり聴きこんで本番に臨みましょう。(澤田 大輔/bounce.com)
DAVE CLARKE
『Dave Clarke Presents Remixes & Rarities 1992-2005』Musicman(2007)
名曲“Red 2”の大ヒットによって一躍テクノ・シーンのトップに躍り出たデイヴ・クラーク。今作は彼が92~2005年の間に手掛けたリミックス仕事を収めた全30曲入りの2枚組です。アンダーワールドからモービー、ニュー・オーダーなどの大御所からゾンビ・ネイション、グリーン・ヴェルヴェットまで幅広いアーティストの曲をすべて自分色に染めるやり口は流石にスゴイ!! 得意のズンドコ・ビートが吹き荒れています。(石井 隆弘/bounce 2007年04月号掲載)
JORIS VOORN
『From A Deep Place』GREEN/TECHNORIENT(2007)
2003年頃から徐々に注目を集め、2004年のEP『Lost Memories Pt. 2』に収録された特大アンセム“Incident”で大ブレイクを果たしたヨリス・ヴォーンの2作目。繊細なプログラミングの妙や大バコでも破壊力抜群なミニマル・トラックを聴くと、ここに至るまでの成長ぶりもよくわかる。なかでも“Incident”のフォローアップ的な楽曲“Blank”は素晴しい仕上がり! 彼の原点であるデトロイト節ももちろん健在だ。(石井 隆弘/bounce 2007年06月号掲載)
BLACK STROBE
『Burn Your Own Church』Playlouder/Beggars Japan(2007)
ラプチャーなどロック・バンドのリミックスを手掛けたあたりから支持層を拡大し、昨今のニュー・レイヴ的な流れにも半分乗った(エレクトロクラッシュにも乗ってたっけ!?)注目のエレクトロ・ユニット。ボディー・ミュージック~ニュー・ビートからの影響を強く窺わせるこの初アルバムのヌメリ気が、また中毒者を増やしそうですわ。イヴァン・スマッグは制作後に離脱を表明してしまったものの、彼らへの期待感はまだまだ最高潮! (池田 謙司/bounce 2007年06月号掲載)
JESSE ROSE
『Body Language Vol. 3 By Jesse Rose』Get Physical(2006)
スウィッチことデイヴ・テイラーとのユニット=インデュケイヴや自己名義でダブサイデッドを中心に大活躍中のジェシ・ローズが大人気ミックス・シリーズに登板! そのインデュケイヴに、スウィッチの別名義=ソリッド・グルーヴ、レディオ・アクティヴ(レキッド)など人気者が集結! 奇怪なネタ使いにバウンシーなビートという、いわゆるスウィッチ流儀のテック・ハウスが過剰なまでに搭載! (石田 靖博/bounce 2007年04月号掲載)
SPIRIT CATCHER
『Night Vision』2020 Vision/IRMA RECORDS JAPAN(2007)
ここ最近、ネイサン・フェイクやホールデンなど、かつてプログレッシヴ・ハウスにカテゴライズされていた連中の音がめっぽう刺激的なのだ。で、このスピリット・キャッチャーの初アルバムもそんな幻想を膨らませまくる超強力盤! 彼らはジャン・ヴァネス(DJ)とトーマス・ソフェ(キーボード)による2人組なのだが、その特徴は何といってもソフェのシンセ! デトロイト流儀に多幸感と煌めきをイヤというほど注入した強烈無比なリフは、彼らの名を轟かせた大ヒット“Dirty Circuit”(リミックスが川辺ヒロシのミックスCDにも収録!)や“Sweet Knight”のブギー・ディスコ感、“Time Emulator”のデトロイトっぷりも最高! かと思えば“Motown Spring”では心洗われる清純ブレイクビーツも聴かせてしまったり。そりゃシングルの時点で大騒ぎになるはずだわ。これぞ最新最強のディスコ・テック・ハウス! (石田 靖博/bounce 2007年05月号掲載)
MOTOR
『Unhuman』Novamute/Hostess(2007)
ニッツァー・エブとのツアーで昨年話題を呼んだモーターは、ドラマーのミスター・ノーとあのプリンスのサウンドデザイナーとして活動していたブライアン・ブラックによる、パンキッシュなサウンドで人気を集めているユニットだ。このファースト・アルバムでは、ヴィタリックを想起させるバキバキの攻撃性を軸に、インダストリアルやゴスの空気を持ち込んで不穏なスタイルを提示。いかがわしくも刺激的な作品です! (青木 正之/bounce 2007年06月号掲載)
FUMIYA TANAKA
『mur mur - conversation mix』TOREMA RECORDS(2007)
田中フミヤ名義では実に5年ぶりのミックスCDは、レギュラー・パーティー〈CHaOS〉におけるピークタイム時のプレイをそのまま収録したもの。粒立ちのハッキリしたクリックやのっぺりしたベースラインがウネるミニマルで、一定のテンションを維持させながらグルーヴィーに展開させるというストイックさは、いつもどおりにして唯一無二。自身のプレイをリアルタイムに解説するというDVDも追ってリリース予定です! (田中 将稔/bounce 2007年08月号掲載)
WESTBAM
『Do You Believe In The Westworld』Low Spirit/Platik(2005)
バムやんが今度は毎度のフロア直行トラックを満載したオリジナル・アルバムで再降臨! ヴェルヴェット・アンダーグラウンド“Sunday Morning”のカヴァーというニコニコな飛び道具もアリ。(狛犬/bounce 2007年08月号掲載)
DISCO TWINS
『Twins Disco』キューン(2006)
電気グルーヴのツアーに参加したことがきっかけとなり始動したDJ TASAKAとKAGAMIによる注目ユニット、DISCO TWINSがついにオリジナル・アルバムを発表! 吉川晃司、宇多丸(Rhymester)、セイジ(ギターウルフ)、オオヤユウスケ(Polaris)、KAORIといった超豪華ゲスト陣をフィーチャーした激アゲ・アッパー・チューンの博覧会。特に吉川晃司が参加したエレ・ディスコな2曲。ダサいのに、 かっこいいんだ!! (田中 将稔/bounce 2006年09月号掲載)