NEWS & COLUMN ニュース/記事

第18回 ─ 紺青のこどく

連載
Mood Indigo──青柳拓次が紡ぐ言葉、そして……
公開
2007/05/24   19:00
ソース
『bounce』 286号(2007/4/25)
テキスト
文/青柳 拓次

こどくがこちらをみている

こちらがしばらく俯いているうちに
話かけてくる

こちらがしばらく途方にくれているうちに
うしろにいる

突然 
瞬間 
あのやっかいな不安の投網に捕らえられてうごけなくなる
このままどうなってしまうのかとこどくを睨みつける

歌いたいとおもうのに
まだうまくかけない こどく

奥底の言葉をすくうとき
そばにいてほしい こどく

こどくと仲良くならなければ

旅先で こどくは待ちかまえていた
どうにも食べ物が口にあわなかったので
投げつけてやった

ひとり
世界のこどくと

つながったり

きれたり

PROFILE

青柳拓次
サウンド、ヴィジュアル、テキストを使い、世界中で制作を行うアート・アクティヴィスト。LITTLE CREATURESやDouble Famo-usに参加する他、KAMA AINAとしても活動中。リリースされたばかりのコンピ『細野晴臣トリビュート・アルバム』にはLITTLE CREATURESで参加している。