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第1回 ─ ニッポンの魂!!(Japanese Soul)

連載
ニッポンの魂!!
公開
2006/11/02   22:00
更新
2006/11/02   22:38
テキスト
文/bounce.com編集部

ダンス・ミュージックやカフェ・ミュージックは、洋楽が中心となってしまっている昨今。そんな時代の流れに逆行し、古今東西、日本に存在する多くのダンス・ミュージックやカフェ・ミュージックとなりうる名曲をオシャレに、かつアカデミックに紹介するSHIBUYA-FMで好評放送中のラジオ番組、それが「ニッポンの魂!!(Japanese Soul)」。クラブで掛かったらこの曲は踊れるかも、カフェやバーでこんな曲が流れていたらオシャレかも、などの〈日本人の日本人による日本人のためのソウル・ミュージック〉を新旧問わずに語り尽くす!! そんな縦横無尽トークを、bounce.comではダイジェストでお届けします!

「ニッポンの魂!!」のレギュラー選曲者は、この6人!
・LATIN RAS KAZ(以下ラスカズ):ご存知! 日本が誇るEDIT MUSICの第一人者。
・コンピューマ(スマーフ男組):スマーフ男組のターンテーブルとたくさん担当。
・服部全宏(GO PUBLIC/以下服部):GO PUBLIC。アーヴァン感ミュージックを提唱中。
・daisk8(SWING BOYS):ラジカセで聴くジャズをテーマにしたユニット〈SWING BOYS〉のDJ。
・池谷航:bounceと代官山UNITがお送りする音楽イベント〈bouNIT〉などのイベント番長。
・Kaneko Hideshi(FreePaper UNIT/以下Kaneko):フリーペーパーUNITの編集長、たまにDJ。まれに☆

■選曲 daisk8(SWING BOYS)
浅野ゆう子“セクシー・バス・ストップ”(『ゴールデン☆ベスト 浅野ゆう子~RCA/FUNHOUSE YEARS』収録)

daisk8:ダンスフロアと言えば、やっぱりソウル・ステップ系で名曲です。

ラスカズ:なんでバスなのかって話ですけれどね(笑)。多分ステップが当時流行りのジャンルなんでしょうね。

服部:時代ですかね。

ラスカズ:僕が個人的に好きなEPOもカヴァーしていますね。

daisk8:色んな人がカヴァーしてますよね。

服部:作曲は、筒美京平大先生ですね。

Kaneko:あー、やっぱり!!

daisk8:日本語を掘る楽しみっていうのもありますよね。

■選曲 池谷航
山下達郎“SPARKLE”(『FOR YOU』収録)

ラスカズ:こういう日本の曲と言うか、僕は和物っていう呼び方はあまり好きではないんですけれど、山下達郎は人気ありますよね。ちょっとしたブランドになっているというか。日本語の曲ってある程度、現場で掛けたりするとリスキーな部分があると思うんですよ。でも、これを掛けてOKだったりすると、今日は質の高いお客さんが来ているなとか。

Kaneko:取っ掛かりになりますよね。

コンピューマ:場の空気が変わりますよね。

ラスカズ:日本語が乗っているっていうだけで、サウンド的には洋楽となんら変わりないですよね。

コンピューマ:むしろ洋楽以上ですよね。

ラスカズ:そういうのが好きな人からすると、和物という感覚はむしろ無いのかな、なんて思いますけれどね。でも、音だけでもよそ行き感覚というか。

Kaneko:ジャケットもね。

daisk8:オシャレしている感がありますけれどね。

服部:(ジャケット・デザインは)鈴木英人ですよね。

ラスカズ:僕らおっさん世代は、この人の絵を見ると「FMステーション」とかそういう感じの感覚を覚えますよね。

■選曲 Kaneko Hideshi(FreePaper UNIT/☆)
高橋真梨子“SAMBA MAGIC”(『Mariko Songs Collection ~高橋真梨子全集~』収録)

ラスカズ:すごいネガティブな感じの曲調と言いますか(笑)、南に島な感じですよね。

daisk8:うちのオヤジがめちゃめちゃ好きなんですよ(笑)。

ラスカズ:俺らもそのオヤジになって来たって事ですよね。

コンピューマ:でも実は高橋真梨子さんって、もちろん未だに現役バリバリなんですけれど、何げにその時代その時代の流行をきちんと取り入れているんですよね。一時期、お酒のCMでシェールのヒット曲を絶妙に取り入れていて。

daisk8:ペドロ・アンド・カプリシャス。

Kaneko:(オリジナル盤の)ジャケットが微妙にフローラ・プリムの『Everyday, Everynight』のジャケットに似ているんですよね。曲調もちょっと似ているし。

ラスカズ:歳を取ってくると、昔は歌謡曲という印象だったのに、奥行が違って聴こえてきますよね。

コンピューマ:全然違う感じで楽しめますよね。

■選曲 服部全宏(GO PUBLIC)
野口五郎“GOOD LUCK”(『ゴールデン☆ベスト~野口五郎』収録)

服部:〈アーバン感〉を服部がお送りします。懐メロですね。筒美京平先生作曲による78年の名作“GOOD LUCK”です。

Kaneko:このベスト盤のジャケットも凄いですね。

ラスカズ:一瞬、和田アキ子かと思いましたよ。

Kaneko:このウエスタン・ブーツっていうのも野口五郎ですよね。

コンピューマ:歌唱力がありますよね。

Kaneko:当時のアイドルって、歌唱力がありましたよね。ソウルフルな感じの。作詞・作曲は別の方なんでしょうけれども。

コンピューマ:あとみんな声立ちしているというか、キャラ立ちがしっかりしているから、パッとこの声を聞いたらあの人だとか、わかりましたよね。

Kaneko:いわゆる賞味期限の無い音楽というか、そういう感じがありましたよね。いつ聴いても、良い曲はホントに良いんだなって、まさに〈ニッポンの魂!!〉と呼ぶのに相応しいですよね。

daisk8:野口五郎は、AORファンの間では結構有名なんですよね。参加しているアーティストが、有名な方ばかりなんで。

ラスカズ:スティービー・ワンダーをカヴァーしたりとかしてますよね。

daisk8:あと、ヘビメタ好きなんですよね(笑)。

■選曲 コンピューマ(スマーフ男組)
中山美穂“ROSE COLOR”(『COLLECTION II』収録)

Kaneko:来ましたね(笑)!

ラスカズ:このドラムの音が鳴ると安心しますよね。コーンって部分ね(笑)。

コンピューマ:中山美穂さんの“ROSE COLOR”ですね。これは、もう忘れブラコンですよね(笑)。89年のものなんですけれど、この頃のブラコンの空気感がたっぷりと詰め込まれていて。このうち込みのドラムの感じとか、ちょっといいですよね。

ラスカズ:この場に来て色んな曲を聴いていると、中山美穂っていうのが別に普通に「へーっ」てなっちゃいますよね(笑)。あんまり驚きが無いっていうか……。

Kaneko:やっぱり85年から89年とかって世代的にちょうど音楽に影響される時代というか、ドラマとかで中山美穂が主題歌を歌ってたりとかしていると、聴きたくなくても聴いちゃうというか、耳に入ってきちゃうじゃないですか。しかも友達とかも見てるし、見ないといけないとか、ありましたよね。

ラスカズ:あと、ブラコンっぽい曲で“ROSE COLOR”ってちょっと意味深だなって思いましたね。多分、深読みのし過ぎだとは思うんですけれど、おっさんになるとね、そういう考えがね……。

服部:いやだってこれ、資生堂の口紅(のCMで使用された曲)ですからね(笑)。

■選曲 LATIN RAS KAZ
大橋純子“シルエット・ロマンス”(『ゴールデン☆ベスト~大橋純子 シングルス』収録)

ラスカズ:これはコンピューマさんも選んで掛けようとしていた曲です。これは、懐メロというか、かなり有名な曲なんですけれどね。

コンピューマ:来生たかおさんの原曲も素晴らしいですけれど、やっぱり大橋純子さんのバージョンが素晴らしいですよね。ホント艶っぽい曲ですよね。

ラスカズ:それでですね、僕はライフワークで〈モーフィング〉という要は〈似ている曲を探す〉っていうクッダラナ~イ提唱をしているんですが、ちょっと似ている曲がありまして。実はこっちが下地になっているんじゃないかと思うんですけれど……。実際は分かりませんが、英語の曲なんですけれど聴いてみて下さい。

ラスカズ:(音を流した後)どうですか?

Kaneko:似てますね(笑)。

ラスカズ:これ古い曲なんですけれど、ビージーズの人とバーバラ・ストライザンドがやった映画のサントラにもなっている曲で。“Woman In Love”って曲なんですけれどね。

服部:これ“Guilty”が入っている名盤ですよね。

Kaneko:ちょっと感動しましたね(笑)。

※トークに登場する楽曲のオリジナル盤は、廃盤・取扱い終了などで入手不可能なものがあります。記事内の収録アルバムについては、現時点で入手可能な作品をご紹介しています。

「ニッポンの魂!!」情報
・毎月第1、第3木曜日(21:00~22:00)にSHIBUYA-FM(78.4Mhz)にて放送中! そして代官山UNITのフリーペーパー「UNIT」でも展開中! 今後、bounce.comとも連動企画があるかも!? 次回の放送は11月16日。ぜひチェックしてみてください。お楽しみに!

・イベント開催決定!
11月12日(日)15:00~23:00、東京・代官山UNIT〈SALOON〉にて。料金は1,000円です。番組レギュラー選曲者にゲストとしてRIOW ARAIも登場します!詳細についてはUNITホームページをご覧下さい。