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第2回 ─ Niagaraカヴァー第2弾発売記念! 曽我部恵一インタビュー

第2回 ─ Niagaraカヴァー第2弾発売記念! 曽我部恵一インタビュー(2)

連載
Niagara Cover Special
公開
2006/09/07   15:00
更新
2006/09/08   01:01
テキスト
文/ヤング係長

――大滝さんはもうずっと新作を作っていないわけですが、ファンとしてどう思われていますか? 〈過去に作った作品を越えられない〉恐怖があるのかな……という気もするのですが。

曽我部 んー、そこまで観念的じゃないんじゃないですか? あんまりそのことに対して大滝さん自身が発言はしませんけど、危機感があるようには見えない。大滝さんの歴史は計算ずくなんじゃないかと思うんです。作品ごとの優劣はあるのかもしれないけれど、全部通して全く無駄がないというか。その到達点として『A LONG VACATION』があるような。自分のやるべきことがはっきり見えていて、そこに向かってまっすぐにやってきた方なんじゃないかな。で、今の大滝さんの様子を垣間見つつ作品を聴いて「ああ、ありがたいな」と(笑)。ああいう方が日本の音楽界にいること自体がありがたいことだと思いますけどね。

――大滝さんにとって作品を作ることがパズルのピースを埋めるような作業だったということでしょうか?

曽我部 これは僕の勝手な思いなんですけど、大滝さんにとって作品を作ることが部屋の模様替えのようなものだったんじゃないですかね。完璧な部屋を作るために、棚を付け替えたり、窓を作り直したりっていう、自分のベースとなる部屋の模様替えを延々とし続ける作業がもう終了したというか。その作業は戦いだったと思うんです。それをちゃんとくぐってきて、部屋の模様替えが一通り済んだ。今の大滝さんがいたって穏やかに見えるのは、それまでの戦いが終わったからなんじゃないかと。で、そのピークが『LET'S ONDO AGAIN』だったんじゃないかな。

――かなり愛情を感じる発言ですね。

曽我部 一番影響を受けてきた人ですから。大滝さんと会っても一言もしゃべれませんよ(笑)。「Quick Japan」誌でサンボマスターの山口くんが大滝さんに突っ込んでいるのを読んで、「こいつおかしいな」と思いましたからね(笑)。

――曲の話もお伺いしたいと思います。今回の“A面で恋をして”では、ピアノがメインのスカ・アレンジになっています。かなりポップス的な印象を受けたのですが。

曽我部 そうですね。ただのポップスという感じで。元々なにも決めずにスタジオに集まったんです。ほとんど川上(つよし)さんがアレンジしてくれて。さくっと録ったので5時間くらいで終わりました。ヴォーカリストとして参加したみたいな感じで、すっごい楽しかったですね。

――今回、カヴァーしてみて改めて気づいたことってありましたか?

曽我部 コード進行はシンプルなんだけれど、ちょっとしたエッセンスを入れている。そういう、すごい細かいところにマジックが隠されているんですよね。些細なことなんだけれど、そういうところが実は効いてくる。大滝さんのルーツはシンプルな時代の音楽だったんですよね。僕らが聴いてきた時代の音楽ってコード進行が多くて複雑だから、そういうシンプルな構造の曲は自然には作れない。うらやましいですね。

――曽我部さんにとって、大滝さんは一番影響を受けてきた人なわけで、ものすごい大きな存在なんですよね。その人のカヴァーをすることの意味みたいなことをお伺いできればと思います。

曽我部 あんまり考えちゃうとできないんですよ。最初にトリビュートに参加する話をもらったときにはできないと思ったから。だから、自分でアレンジするのもやめて、無邪気にやれたらいいなと思って川上さんを誘ったんです。〈自分なりの大滝詠一論を提示して~〉みたいになっちゃうと荷が重過ぎるし、まだそんなことはしたくない。スタンダード曲を普通のポップスとして今でも聴けるようにカヴァーしたって感じですかね。テクノでやったりしたらやばかったと思います(笑)。

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