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第9回 ─ METALLICA、MUSE、LINKIN PARKなどが出演した〈SUMMER SONIC 06〉速報!!

連載
オレらの 夏 フ ェ ス 予習・復習帳 06
公開
2006/08/17   15:00
更新
2006/08/18   12:31
テキスト
文/bounce.com編集部

今年も東京と大阪で開催された〈SUMMER SONIC 06〉。ほとんどの夏フェスが地方で行われる中、都心から電車で気軽に行けるという数少ないこのイヴェントについて、ライターの久保田泰平・村尾泰郎両氏とbounce.com編集部員の内田が鼎談を行いました。


内田 今年のサマソニを全体で観て、どんな印象でした?

村尾 13日のラインナップは、かなりヘヴィ・ロック寄りというか……。結局、今回〈MARINE STAGE〉って行ってないんですよ。昔はベックとかチボ・マットとかも〈MARINE STAGE〉で演ってましたよね?

久保田 去年はオレンジレンジとか。

内田 あと一昨年はヒップホップのナードとナズ。たぶんサマソニって、年ごとにくっきりと分けてるんじゃないですかね? 今年はヘヴィ・ロックが多めとか、ブラック系が多めとか。

久保田 ステージのカラーはかなり明確になってきてるね。

村尾 僕、今回〈ISLAND STAGE〉も行ってないんですけど、どうでした?

久保田 けっこういいよ。クアトロの柱(※注1)じゃないけど、真ん中にやしの木が立っててね。表情のあるフロアというか。幕張メッセの中って無機質でしょ? ここはホントに公園の一角にステージがあるような、自由なスタイルで楽しめそうな感じ。ちゃんと毎回改善されてるよね。〈BEACH STAGE〉も去年は小屋みたいな感じだったけど、今回はちゃんとステージになってたね。

内田 他に、何かアトラクションとか観たりしました?

村尾 お笑いと、エア・ギター・バトルとかやってましたね。小さいステージが作ってあって。

内田 カラオケもね、キッスの曲うたったりしてましたよ。

村尾 僕が通った時は、ニルヴァーナ(笑)。あと、メイド・カフェもありましたね。

久保田 行きました。

村尾 行きましたっていうか、何か買いましたってことでしょ? 特別なサービスはあるんですか?

久保田 お金払うとゲームが出来て、勝つとポラを撮ってもらえるっていう。でもそれはやらなかった。

村尾 やっぱり「ありがとうございます、ご主人さま」とか言ってくれるんですか?

久保田 こっちからコミュニケーションしようとしないと、普通に対応されるね。利用したのが23時過ぎくらいで、あといっぱいオーダーしたから、女の子がふたりで持って来てくれたけど。けっこう夜は楽しいよ。カジノとか。

村尾 カジノは何を賭けてるんですか?

久保田 ドリンク・チケットとかと換えてくれるのかもしれない。メイド・カフェでいろいろ買った時、チケットもらったから行ってみた。人生ゲームみたいなお札で、50ドルって書いてあったけどね。

村尾 なんか、みんなで温泉に慰安旅行に行って、夜繰り出した、みたいな感じですね(笑)。

久保田 みんなも泊まればよかったのに。

内田 日帰り組は大変でしたよ。(会場最寄り駅の)海浜幕張駅の前で、駅員が「入れません」って止めてるんですよ。「駅にも入れねえのか」ってビックリして。初日も2日目も延々20分くらい突っ立ってて。で、「どうぞ入って下さい」ってなったら、みんな雪崩みたいに入ってくっていう。電車に乗ったら乗ったでギュウギュウだしね。

村尾 海浜幕張駅まではガラガラなんですよ。そこにゾンビみたいなのが集まってくる。ドロドロでね、座席に飢えてるやつらが(笑)。あと、途中でディズニーランドの客も乗ってくるんですよね。舞浜で待ってる家族連れが、電車の込み具合を見て明らかに驚愕の顔つきなんですよ(笑)。さっきまでの心地よいヴァイヴスがね、あっという間に消えてなくなりますね。

内田 フジロックとかは非日常じゃないですか。電車に乗るって言っても完全に田舎の駅だから、逆に風情があるっていうか。そういうのがもう、一切ない。天国と地獄がキーワードですね。泊まってる人はずっと天国でしたでしょうけど。

久保田 天国だったね~。フレーミング・リップス観て、帰ってシャワー浴びて、ちょっとまったりしてからまた出てったんだよね。3時頃までメイド・カフェで楽しんで、ホテルに帰ってったらヤンキースの試合が衛星放送であって、4時くらいまで観ちゃった。

村尾 僕はその頃、体中が痛くて横になってて、嫁に「こんなところで寝ないで」って怒られてた(笑)。ロック・フェスにも世に言う勝ち組・負け組(笑)が生まれちゃってる感じじゃないですか? 明らかに負け組だったもん、僕。

久保田 あとね、単純に夜遊びするからっていうことじゃなくて、夜中いるっていうのはフェス感高めるよね。

村尾 お祭り感は高まりますよね。だから、もっと気軽に泊れるといいなって思いますね。

内田 ホント、帰りの電車は何とかして欲しい。これが都市型フェスなんですかね~。

村尾 確かにサマーソニックは、〈MOUNTAIN STAGE〉に行く時とか、真っ暗な中に電気がついてて、そこにエスカレーターで降りてくじゃないですか。ホントに都市型だなって思いますね。退廃した感じがあるじゃないですか。ガランとしてて、人工的な空間で。

内田 常に日常と隣り合わせっていうね。

村尾 逆に、帰る時にツライっていうのはあるけど、手軽に非日常に入れるっていう。あんまりお金を持ってない若者達が、リーズナブルに遊べるフェスティバルではありますね。……そうだ、タワーレコードでバスを出すっていうのはどうですか?

久保田 ああ、海浜幕張以外の駅と繋ぐバスは欲しいよね。あとタワー的には、〈BEACH STAGE〉にもう少しアトラクションが欲しいですね。

村尾 〈BEACH STAGE〉は今回、雨が降ったじゃないですか。これから、そういう時の対応ってどうするんですかね?

久保田 ちゃんと海の家っぽく、……っていうか、海の家作っちゃえばいいのに。テーブルとか欲しいね。ラーメンとかも出して。

内田 じゃあ、規模を広げなきゃダメですね。

久保田 休めるスペースは欲しいね。活気のある男女スタッフを揃えて。

村尾 で、アーティストが1日店長とか1時間店長みたいな感じでね、お店で「いらっしゃいませー」って言ってくれる。注文とってくれるとか。それを、〈1日店長の巻〉みたいな感じで〈NO MUSIC, NO LIFE.〉で押さえてね。

久保田 来年は、タワーレコードは海の家だよ。

内田 夢は広がりますね~。そういう希望が出て来たところで、本日は締めるとしますか。

※注1 渋谷のライヴ・ハウス〈CLUB QUATTRO〉にはフロアの中に柱が立っている。

※復習編の第2回はライヴ・レポートをお送りします。お楽しみに!!

▼文中に登場したアーティストの作品

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