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第54回 ─ トライエイト

連載
Discographic  
公開
2006/07/06   15:00
更新
2006/07/06   19:26
テキスト
文/大石 始、出嶌 孝次

VARIOUS ARTISTS 『Urban Revolutions -The Future Primitive Sound Collective』(2001)

 レーベルのリリース第1弾となった16曲入りのコンピで、ロブ・スウィフト、DJディスク、Z・トリップ、J・ブギー、DJゼフら名うてのターンテーブリストたちがひしめいた豪華な内容。DJシャドウ×カット・ケミストもインタールードに登場している。(出嶌)

JEL 『10 Seconds』(2002)

  日本でもアンチコン人気が定着していった時期に登場したジェルの意欲作。タイトルが示すように〈10秒間のサンプリング〉というSP-1200の機能制限にあえて縛られることで、叙情性に富んだ俳句ブレイクビーツを編み出しているのがおもしろい。アンチコンからはドーズ・ワンとエイリアスも登場!! (出嶌)

SONIC SUM 『Films』(2003)

  NYアンダーグラウンドで名を馳せるロブ・スミスがベーシスト+DJ2名と結成した変則ユニットのフル・アルバム。ベースの鳴りを活かしたジャジーな曲から、ロック的なカドの立った曲まで、独特のフリーフォームぶりがいかにも。本作収録曲のオーパスらによるリミックスを集めた『Operaz EP』もドープでした。(出嶌)

upsets feat. zero 『groove on』(2004)

  yogurtとDJ Uの2人から成るupsetsと、井上薫主宰のSEEDS AND GROUNDからのリリースもあるzeroの共演盤。時にアフロビート的だったりジャム・バンド的だったりもするzeroの演奏を、upsetsが無国籍風味に料理して、スケールの大きな世界を創出。ジワジワと押し寄せてくるような昂揚感にトバされる。 (大石)

THAWFOR  『Where Thawght Is Worshiped』(2001)


  キレと知性を感じさせる語り口が評判となったソウフォーのファースト・アルバム。シカゴで活動を共にするラバールームのオーパスが手掛けた壮大でアブストラクトなビートは、DJ KRUSHもインストを好んでプレイしたほどの出来。マイク・ラッド、スラッグらとのマイクリレーが聴きモノ。(出嶌)

パードン木村  『SILLY WAKE』(2004)

  ステレオ用とヘッドフォン用の2枚組で構成されており、後者はPSTなる3D再生技術を導入するなど、音像に対するパードンの興味が存分に発揮された意欲作だ。菊地成孔や坪口昌恭、DJ Quietstormらをゲストに招いたポップで遊び心に溢れるサウンドは、笑っちゃうぐらいにマジカル!(大石)

ADD / DJ DOLBEE  『Rocket Science EP / Space Traveling EP』(2001)


  志半ばで逝ったバイリンガルMCのA-TWICE(ラフラ・ジャクソン)とDJ DOLBEEが組んだADDの5曲に、DOLBEEのソロ6曲を加えたスプリット作品。“Sweet Lullaby”などを聴くにつけラフラの才が惜しまれるが、DOLBEEの硬質なビートは感慨と切り離して評されるべき完成度だ。(出嶌)

THE PRUNES 『Odd Jobs』(2005)

  デンマークはコペンハーゲンを中心に活動し、ビースティ・ボーイズのリミックス仕事やモ・ワックスからのリリースで記憶される3人組。各時代のストック曲を集めたこの最初で最後のアルバムには、90年代らしいロウな骨太さが一貫。クールなジャズ・ファンクやオールド・スクール調など多彩な意匠も楽しい。(出嶌)

HUGE VOODOO 『Em-phat-tic Phorms』(2001)

  70年代からNY地下シーンで活動してきた異才の初アルバムで、大量のウォークマンに音をブチ込むローテクな制作スタイルや、謎に包まれたキャラクターも含めて大きな話題となった。ゲスト参加したマイク・ラッドやMrレンらのラップもゴクリと呑み込むドープな音の洪水は……ただただ圧倒的。(大石)

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