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第15回 ─ よそ者たちのフィラデルフィア

ESSENTIALS いまもフレッシュな名盤たち その1

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2006/06/22   18:00
更新
2006/06/22   19:22
ソース
『bounce』 276号(2006/5/25)
テキスト
文/林 剛

B.B. KING 『To Know You Is To Love You』 MCA(1973)


  ブルースのキングもフィリー・サウンドの魅力には抗えなかった!? 制作はデイヴ・クロフォードで、南部のホーン隊も起用しているが、演奏陣には黄金期MFSBのメンバーがズラリ。〈ブルースのイマ〉を体現してきた御大らしい試みで、朗らかな歌声でフィリー・サウンドに乗るBBがいい。鍵盤で参加したスティーヴィー・ワンダー作の表題曲(シリータのカヴァー)でのグルーヴィーなセッションは必聴!

THE CHI-LITES 『The Fantastic Chi-Lites』 Mercury/Pヴァイン(1977)

  〈シカゴの灯火〉を謳ったグループがユージン・レコードの一時脱退を機にまさかのフィリー詣で。プロデュースはリチャード・ロームで、トム・ベルと懇意のフィル・ハートが多くのソングライトを手掛け、後期MFSBバックのもとフィリー・サウンドに染まりきった。ガラージ文脈で再評価されたダンサー“My First Mistake”の他、美しいハーモニーを活かしたバラードもじっくり聴かせる。

CURTIS MAYFIELD 『Heartbeat』 Curtom(1979)

  メアリーJ・ブライジが用いた有名ネタ“You're So Good To Me”など地元シカゴでの録音曲も含むが、フィリーのノーマン・ハリス&ロン・タイソン、バニー・シグラーのプロデュース曲も同時収録。インスタント・ファンクも演奏に参加し、フィリー~NYで開花したサルソウル産ダンス・ミュージックの鼓動をそのまま伝えたような内容に。華麗なディスコ・サウンドに向き合ったカーティスも悪くない。

DEE DEE BRIDGEWATER 『Dee Dee Bridgewater』 Elektra/Collectables(1980)

  現在はチャイナの母親としても知られる女性ジャズ・シンガーが、トム・ベル及びその甥であるリロイ・ベルとケイシー・ジェイムズ(ベル&ジェイムズ)の助力を得てキューティー・ヴォイスを披露。ベルが80年代初頭に関与したテンプテーションズやデニース・ウィリアムズのフィリー詣で盤同様に、音の質感はポップでメロウ。全編に甘酸っぱくラヴリーなムードが満ち溢れた好盤だ。

JACKIE MOORE 『Sweet Charlie Babe』 Atlantic/Collectables(1973)

  フロリダ出身の歌姫ジャッキー・ムーア。これは69~72年のシングル曲を集めた作品で、出世曲“Precious Precious”などデイヴ・クロフォードらによるマイアミ録音の曲も含むが、表題曲をはじめ約半数がフィリー録音。フィル・ハートやバニー・シグラーらが制作にあたり、絶頂期のMFSB一派による華麗なサウンドをバックに、ディープなヴォーカルで溌剌と歌い進んでいく姿が頼もしい。

JOHNNY MATHIS 『I'm Coming Home』 Columbia(1973)

  50年代から活躍するポピュラー歌手がトム・ベル&リンダ・クリード作のナンバーをベル制作のもとで歌ったフィリー録音盤。甘美で切ないメロディーラインを持つベルの曲は、甘くソフトな歌声でポップス~ジャズ界を歩んできたジョニーと抜群の相性を見せ、スタイリスティックスでお馴染みの名曲も違和感なく歌う。後にスピナーズやテディ・ペンダーグラスが歌うナンバーの収録も見逃せない。

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