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第68回 ─ Kaoru Inoue

連載
NEW OPUSコラム
公開
2006/03/30   19:00
ソース
『bounce』 274号(2006/3/25)
テキスト
文/宇都宮 健太

シンプルな音楽に奥深さを見い出した彼から、聴き手を別世界に誘う2作品が到着!!

 独自の世界観でクラブ・シーンに留まらない活動を続けてきたKaoru Inoueだが、最近の動向からは特に目が離せない。まずは彼とPort of Notesなどのギタリスト/作曲家であるDSKによるユニット=AURORA。デビュー作『FLARE』ではギター・インストからダンス・トラックまで、アフターアワーズな感覚をベースに幅広い音楽性を披露した彼らだが、1年半ぶりの新作『Fjord』は2本のギターによる即興演奏にフォーカスして〈人と人との間に生まれるもの〉を突き詰めたという、より〈生〉でシンプルな作品となっている。野外で録音されたため、各地の自然音が場所も季節も飛び越えて、時には楽曲さえ跨いで流れているのもおもしろい。寄せては返す波と砂のようにそっと絡み合って移ろう、それらの音を眺めるひととき――〈バレアリック=何でもあり〉から一歩踏み出した、普遍的な心地良さがある。そしてKaoru Inoue名義では、ヨガやリラクゼーションをテーマにした秘境盤『Slo-w Motion』をリリース。圧倒的に美しく幻想的でエキゾティックな、熟成された彼のチル・サイドを存分に味わうことができる。そして、AURORAの2人にドラムとベースを加えた轟音(!)インスト・バンド、SILVER STONEもライヴ活動を開始しており、音源リリースも予定されているそうだ。

▼3月29日同時リリース。