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第4回 ─ ハイという名のもとに

ESSENTIAL 忘れられない名盤たち

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2005/04/14   12:00
更新
2005/04/14   19:43
ソース
『bounce』 263号(2005/3/25)
テキスト
文/出嶌 孝次、林 剛

AL GREEN 『Let's Stay Together』 Hi/ビクター(1972) ハイの躍進を決定づける瞬間を投影した、これぞ名盤。9週連続でソウル・チャートを制したタイトル曲(ポップ・チャートでも首位を獲得)が図抜けて素晴らしいが、ビージーズのカヴァー“How Can You Mend A Broken Heart”におけるアル流の解釈もスゴイ。甘美でありながら、その奥底に宿る強靱なソウルネス──その歪んだバランスに彼ならではの絶対的なキャラクターを見る。(JAM)

ANN PEEBLES 『Straight From The Heart』 Hi/ビクター(1972) ハイのNo.1レディー・ソウルといえばこの人、アン・ピーブルズ。絶頂期のハイ・サウンドを浴びて歌われたこの作品は、デニス・ラサールと共作した“What You Laid On Me”のような力強いアップから、後の夫でハイに録音も残しているドン・ブライアントと共作したブルージーなバラードまで、名曲だらけ。アンの魅力をストレートに伝えた好盤だ。(林)

ANN PEEBLES 『I Can't Stand The Rain』 Hi/ビクター(1974) 彼女の代名詞的な一枚。重たいリズムでドッシリ進む表題曲やホーンがブリブリ唸る“Run, Run, Run”のような泥臭い曲も魅力的だし、軽快なエレピが効いた“If We Can't Trust Each Other”など洗練されたミッドも美しい。歌の表情も多彩だが、特に力を抜いた歌唱の何気ない艶っぽさときたら……ジョン・レノンいわく〈この世で最高のソウル・レコード〉。確かにそんな感じだ。(出嶌)


DENISE LA SALLE 『On The Loose/Trapped By A Thing Called Love』 Westbound 80年代のマラコで広く人気を得たサザン・ソウル・レディー。ハイ所属歴はないが、70年代初頭にはハイ・リズムの面々を従えてメンフィス録音を試みている。これはその73&72年作の〈2 in 1〉盤で、特にウィリー・ミッチェルがアレンジを手掛けた72年作はハイのエッセンスが目一杯詰まった名品。ディープで優雅なグルーヴに包まれて溌剌と歌うデニスが素晴らしい。(林)

O.V. WRIGHT 『The Soul Of O.V. Wright』 MCA  ハイがやや勢いを失いつつあった70年代後半に同社と契約したOV・ライトだが、それ以前から彼はハイ録音を続けていた。本作は60年代中期~70年代初頭までのバックビート時代の曲を集めた編集盤で、全盛期のウィリー・ミッチェルが手掛けたこの非ハイ時代のほうがむしろハイ・サウンド然としている。アップでの勢い、バラードでのディープな表現力と、ソウルの手本のような歌に聴き惚れる。(林)

OTIS CLAY 『Trying To Live My Life Without You』 Hi/ビクター(1972) コティリオン時代の“Is It Over”でハイ・サウンドとの相性の良さを実証済みだったシカゴ屈指のソウルマン、オーティス・クレイ。そんな彼がハイにやってきて早々とまとめ上げたのがこのアルバムだ。シカゴ時代と趣こそ異にするが、ハイ的な意匠とクレイのパフォーマンスとの間に喧嘩が起こるようなことはない。レパートリーに不備は一切なし。問答無用の傑作アルバムである。(JAM)

OTIS CLAY 『I Can't Take It』 Hi/ビクター(1977) ゴスペル・グループから出発し、シカゴなどでも録音しているオーティス・クレイ。やはり有名なのは“Trying To Live My Life Without You”を含む別掲の前作だろうが、ハイ録音の未発表曲から編まれたこの作品も文句ナシの内容だ。鉄壁のハイ・リズムをバックに、ジャンプ・ナンバーからバラードまで、荒々しい激唱でひたむきに突き進むオーティス。物凄い存在感だ。(林)

QUIET ELEGANCE 『The Complete Quiet Elegance』 Cream  クワイエット・エレガンスはフランキー・ギアリングを中心とする女性トリオ。ハイではシングルしか残せなかったが、そのどれもがソウル・ファンを狂喜させて止まない奇跡のレコーディングばかり。ジェイムス・カーのテイクを凌ぐとまで言われた“You've Got Mind Messed Up”をはじめ、サザン・ソウルの極致をコンパイルした本盤はハイの恐ろしさにダメを押す優れた編集盤である。(JAM)

SYL JOHNSON 『Diamond In The Rough』 Hi/ビクター(1974) シカゴきってのブルースマンだったシル・ジョンソンがハイで録音しはじめたのは72年のこと。それまでのキャリアに束縛されることなく、メンフィス・マナーを器用に纏った彼はシングル・ヒットを連発、瞬く間にハイの看板アーティストの座を射止めている。3枚あるアルバムはどれも名盤の名に恥じぬものだが、レパートリーの粒がもっとも揃っているのは本盤か。ジャケも秀逸。(JAM)


WILLIE MITCHELL 『Poppa Willie : The Hi Years 1962-74』 Cream ハイ・サウンドの確立における最大の立役者、ウィリー・ミッチェルの2枚組ベスト。自身のコンボを率いた60年代のインスト作品が大半を占め、モッド度低めながらヒップ度の高い楽曲はブッカーT & MG'sと地続きで楽しめる。Disc-2に固められたカヴァー曲群が印象的で、ハイからのラスト・シングル“Last Tango In Paris”(73年)ではイメージどおりのハイ・サウンドが聴ける。(出嶌)

VARIOUS ARTISTS 『Troubles, Heartaches & Sadness』 Cream  アン・ピーブルズの71年曲をタイトルに使ったこれは、ハイの女性シンガー/グループによる切ない系ラヴソング(66~76年)を集めたコンピ。アン以外はシングル盤のみで終わった面々で、クワイエット・エレガンス、ジーン・プラム、アーマ・コフィなど、ウィリー・ミッチェルらが制作したディープなレディー・ソウルを味わえる。ハイのコーラス隊のひとり、ドナ・ローズのソロ曲も収録。(林)

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