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第58回 ─ 東京が世界に誇る、東京スカパラダイスオーケストラの軌跡!!

第58回 ─ 東京が世界に誇る、東京スカパラダイスオーケストラの軌跡!!(2)

連載
360°
公開
2005/03/10   15:00
ソース
『bounce』 262号(2005/2/25)
テキスト
文/bounce編集部

メジャー・デビュー15周年の年に、彼らが提示する『ANSWER』とは!?

2000年

  この年に発表された8枚目のアルバム『FULL-TENSION BEATERS』は同年にヨーロッパでもリリースされた。それを受けて、5か国(イギリス、フランス、ドイツ、ベルギー、オランダ)を12日間・11本のライヴで駆け巡るなど、海外での活動も本格化していく。

川上「このアルバムから基本的に一発録りを採用するようになったんだよね」 

谷中「〈転がれるだけ、転がろうぜ!〉みたいな。勢い最重視のレコーディングだった」 

川上「このアルバムから欣ちゃん(茂木欣一)がドラムを叩いてるんだけど、彼の加入もかなりデカかったし、俺のなかでは〈欣ちゃん以前/欣ちゃん以降〉って意識が完全に分かれてるんだよね。ある意味、今のスカパラの出発点になったアルバムだと思う」

椎名林檎“真夜中は純潔”の後ろでダイナミックなホーンを聴かせていたのもスカパラ。

川上つよしを中心にLITTLE TEMPOやRocking Timeのメンバーなど、スカ、 ロックステディ、レゲエなどのルーツ音楽をこよなく愛する熱い男たちによって結成されたユニット、川上つよしと彼のムードメーカーズ。2001年作『Moodmakers』ではボビー・コールドウェル、ホール&オーツの楽曲をカヴァー。2作目『moodmaker's mood』では古内東子、武田カオリ(TICA)、高橋幸宏らを迎えた極上のロックステディを聴かせてくれる。

2002年

  男性シンガーをフィーチャーした歌モノ三部作(田島貴男との“めくれたオレンジ”、チバユウスケとの“カナリア鳴く空”、奥田民生との“美しく燃える森”)を経てアルバム『Stompin' On DOWN BEAT ALLEY』をリリース。

川上「〈歌モノ三部作〉をやるって話が上がったときはメンバー間でも喧々諤々だったんだよね」 

谷中「でも結果的にやって良かったと思うよ」 

川上「聴いてくれる人の層も一気に拡がったし」

谷中「スカパラの曲を聴いて、〈あ、スカってこういう音楽なんだ!〉って初めて知った人も結構いたんじゃないかな」 

川上「スタンダードな曲が揃っていて客観的に見てもいいアルバムだと思う」 

谷中「すごく聴きやすいしね」

2000年秋の〈Justa Night〉でのセッションをキッカケに結成された、スカパラのキーボーディスト、沖祐市と、サックス奏者の田中邦和の2人によるデュオ・バンド、Sembello。デビュー作『Sembellogy』の表題曲に、田中知之(ファンタスティック・プラスチック・マシーン)が惚れ込んで、“City Lights”(2001年作『Contact』に収録)を共作したという話は有名。最新作『the second album』では安藤裕子、中村達也(LOSALIOS)らを迎えて、香り立つ極上のジャズを聴かせてくれる。

2003年

  TVドラマのタイアップ曲“銀河と迷路”“A Quick Drunkard”を含む14曲が収録された通算10枚目のアルバム『HIGH NUMBERS』をリリース。

谷中「このアルバムの取材のとき、しきりに〈コンセプトはノー・コンセプト〉って言ってた記憶がある(笑)」 

川上「改めて〈スカ〉っていうものを意識したアルバムだよね。前作で振り幅を広げたぶん、スカパラ本来のコアな部分をグッと全面に押し出した感じ」 

谷中「歌モノの“銀河と迷路”も外部のヴォーカリストを呼ぶんじゃなくて、メンバーの欣ちゃんが歌ってたり、すごく〈自力感〉のあるアルバムだと思う」

2005年


  前作『HIGH NUMBERS』のリリース以降、延べ11か国、157公演、平均4、5日に1度の割合でステージに立つという、若手パンク・バンドも真っ青なアンビリーヴァブルかつアンストッパブルなライヴ活動にひたすら没頭してきたスカパラ。

「意外にシーンが定着してるのはスイス。若手のスカ・バンドもたくさんいましたしね。アムステルダムは年齢層も幅広くて、ジーッと見てるご年輩もいれば、前のほうで大暴れしてる若いコもいたりして」(川上つよし、ベース)。

「ウィーンのノリとかは独特なんだよね。歴史の重みを感じるっていうか、パンキッシュなんだけど、すごくデカダンなんですよ(笑)」(谷中敦、バリトン・サックス)。

 ある時は〈クールでオリジナリティー溢れるTOKYO発のスカ・バンド〉として、またある時は〈とびきりルードな演奏を聞かせる10人のジャパニーズ・ヤクザ〉として各国メディアの賞賛を一様に浴びつつ、持ち前の男気溢れる演奏で世界中のスカ・シーンを次々とロックし続けてきた彼ら。今回リリースされる11枚目のアルバム『ANSWER』にも、スカパラがこの2年間で改めて培ってきたライヴ・バンドとしての自信と矜持がハッキリとした形で反映されることとなった。

「今回のアルバムって、まさにライヴを通じて作り上げていったような作品なんですよ。まずライヴで演奏して、お客さんの反応を見ながら徐々にアレンジを固めていくっていうやり方をとっていて」(川上)。

 フロアが大爆発するサマが思わず目に浮ぶド熱いキラー・チューンから、酸いも甘いも噛み分けた彼らだからこそ鳴らすことのできる苦み走ったジャジーなナンバーまで。60曲にも及ぶ莫大なストックの中から、吟味に吟味を重ねたうえで選ばれた全14曲。選曲の基準は、今回どのあたりに置かれていたのだろう?

「選曲の基準は、強いて言うなら〈胸を張って演奏できるかどうか〉。単にライヴでウケがいいとか悪いとかとは、また違うレヴェルなんですよね。アメリカで演ろうがヨーロッパで演ろうが、同じように〈どうじゃ!〉って胸を張れるような曲を選びました」(川上)。

  また『ANSWER』という、そのものズバリなタイトルには、こんな思いが込められているのだとか。

「今回は、ドラマの主題歌であるとか、いわゆるわかりやすい売り文句がないじゃないですか。そのぶん核になる部分がよく見えると思うし。だから、あえて内容そのものからスカパラっていうバンドの本質的な魅力を感じとってもらえたらいいなって」(川上)。

「あらかじめ自分のなかに、しっかりとした〈答え〉を持ってる感じというか。たとえ不完全だとしても、自分のなかにある答えを胸を張って相手に堂々と提示する姿勢。それが『ANSWER』ですよね」(谷中)。

 そして僕らも、こんなにも素晴らしいスカ・バンドが日本に存在しているということを胸を張って堂々と世界に誇ってもいいはず。ていうか、むしろ存分に誇るべきでしょ!(望月 哲)

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