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第40回 ─ ラッシュ・アワー

連載
Discographic  
公開
2005/03/03   13:00
更新
2005/05/06   14:06
ソース
『bounce』 262号(2005/2/25)
テキスト
文/リョウ 原田

アムステルダムといえば……連想するのは何? チューリップ? 風車? それとも○○○○? そんな勝手なイメージをガラリと覆してしまうネットワークがいま彼の地には生まれている。レコード・ショップに端を発し、個性的な音楽を送り出すレーベル/ディストリビューターへ……ラッシュ・アワーはいま、素晴らしい音楽で大混雑しているのだ。乗り遅れるな!!

ラッシュ・アワー主宰、クリスチャンに訊く

 そもそもラッシュ・アワーは、ハウスやテクノを入り口に古今東西のグルーヴ音楽にはまり込んだ音楽狂、クリスチャンとアンタルを中心に、97年にアムステルダムの小さなレコード・ショップとしてスタート。現在はレーベルの運営やディストリビューション、クラブ・イヴェントのオーガナイズも行っています。彼らの手掛ける作品はハウス、テクノからヒップホップ、ジャズまでさまざまですが、それらは近年、細分化したジャンルの垣根を越えて、世界中のコアなダンス音楽好きの支持を得てきました。現在直接運営しているレーベルはラッシュ・アワーとキンドレッド・スピリッツ、その両レーベルについて代表のクリスチャンに訊いてみましょう。

「ラッシュ・アワーを始めた頃のメイン・ポリシーは、〈良い音楽だけど誰も出したがらないものをリリースすること〉だった。いまでも自分たちの好きな音楽しかリリースしないし。あと重要なのは、ローカルなアーティストに作品を出させてあげて、彼らを育てること。キンドレッド・スピリッツのコンセプトは、国内外のジャズやファンク、ヒップホップ、ハウスなどのもっともソウルフルなものをリリースすることだね」。

 各レーベルには、カール・クレイグやリクルース、ジャネイロ・ジャレル、ビルド・アン・アークなどなど海外の気鋭が並ぶ一方で、地元のアーティストも実は多彩。アシッディーなハウスを手掛けるアールドヴァーク、ヒップホップ・ビートをモダンに組み立てるレッドノーズ・ディストリクトをはじめ、彼らが見込んだ地元の才能は、多様な音楽背景を持ち、個々に実験的なビートを展開しているといえます。アムステルダムのこのディープな才能たちは、いったい何者!?

「アールドヴァークは10年ぐらい前からプロデュース業を始めた古株だね。 キッド・サブライムは22歳の素晴らしい才能でレッドノーズ・ディストリクトの創設メンバーだけど、自分の音楽に専念するためにグループを脱退したんだ。いまはベースメント・ワークスというソウルフルなハウスの制作に携わっているから、この若造には要注意だね! メイクバーはヒップホップとハウスに大きな愛を持つ素晴らしいプロデューサーさ。あとアロイ・ディーは建築家でもあり、オールド・スクールのシカゴ・ハウスとイタロ・ディスコをこよなく愛し、それを自分の音楽にも反映させているんだ」。

 ディストリビューターとしては内外20にわたるレーベルを取り扱い、デトロイトのオモエから日本のPLANET GROOVEまでがそのリストに並んでいますが、こちらももともと「デルシンやミュージック・フォー・スピーカーズのような地元レーベルが良いディストリビューターを探すのに苦労していたから」始めたとのこと。なかなかどうして、筋が通ってます。

「(お店のポリシーは)自分たちが好きで信じている音楽を売ることだよ。信じてることをやり続けるのがいちばん大事だね」。

 ディープなサウンドはまだまだ少数派であるという街、アムステルダムで地元のアーティストをサポートし、タフなビジネスを行う彼ら。その快進撃はまだまだ続きそうです。

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