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第58回 ─ SONICMANIA 05 @幕張メッセ 2月5日(土)、6日(日)2005年

第58回 ─ SONICMANIA 05 @幕張メッセ 2月5日(土)、6日(日)2005年(2)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2005/02/17   17:00
更新
2006/01/19   18:37
テキスト
文/久保 憲司

2月6日(日)


THE DEPARTURE

 昨日はいろんなバンドをいっぺんに見れて興奮したのか、今日はばっちり目がさめて13時のデパーチャーから見ることにした。業界でも話題なのか、関係者の人も多かった。一言で言うとシンプル・マインズか? そういうところがこの手の今流行りのキュアー風バンドのなかでは売れそうな感じを与えるのかな。客席から見て左側のギターの人がエコバニのギタリスト、ウイル・サージェントみたいなセンスあるギターを弾いていて好感を持った。あと機材トラブルにみまわれながらも一生懸命ベースを弾く人がジャパンのミック・カーンみたいでかっこよかった。ヴォーカルの人はスパンドゥ・バレエにハマっているのか、凄い丈の短いジャケットを着てニューロマチックに歌っているのが可愛かった。


GOLDIE LOOKIN CHAIN

 出ました、今回ぼくが一番楽しみにしていたゴールディー・ルッキン・チェイン、これはアリだ。垂れ幕に書かれた通り、83年からやっているというオッサンたちの無法集団が鳴らすヒップホップへの愛。売れなくても20年間頑張ったというこの方法論は日本でもやれるんじゃないだろうか? EXILEがこれかもしれないが、GLCのようにダサくやるほうがかっこいいな。客が英語がわからないからとMCで「次の曲は初登場1位になったんだぞ」とか嘘八百言っていたのもバカっぽくってよかった。83年からやっているというのも大嘘。でも83年というのはイギリスのヒップホップ・シーンの建国記念みたいな重要な年なので、そういうのよくわかっているのもかっこいい。本当に1位になった曲はYMOの大ネタ使いでもっと笑えた。


JUNO REACTOR

 ブンブンやこのジュノ・リアクターがウケているのを見て、みんなダンスが好きなんだなとあらためて感じた。ロックとはダンス・ミュージックだったわけだし、それは当たり前のことなのかもしれないが。アフリカのミュージシャンやパフォマーをたくさん起用し、前に見たフジロックと同じようなライヴだったが、「マトリックス」のサントラなどの大成功でメジャー・バンドとしての貫禄が十分に加わった迫力満点のライヴだった。欲を言えばハウスっぽい曲、もっとゴアっぽい曲、ビッグビートな曲など幅広くってもいいような気がしたのだが、でもこの一本気なところがジュノ・リアクターなんだろうな。

 
  ヴェルヴェット・リヴォルヴァー。こんなことを書くとメンバーもファンも怒るかもしれないが完全にガンズだった。ロックンロールの復活だ。ヴァーカリストの元ストーン・テンプル・パイロットのスコットは、アクセルに比べると声量が少しないなという感じがしたけど、動きなど初期のアクセルみたいでかっこ良かった。アクセルって結構ジョン・ライドンのマネしてたのね。LAメタルを完全に駆逐したガンズ、その正体はパンク、ゴス、ニューヨーク・ドールズなどのロックンロールだったわけで、ヴェルヴェット・リヴォルヴァーは昔に戻ったのだという気がした。スラッシュのウーマントーンなリードギターなどなど脈々と流れるロックンロールの王道の素晴らしさを堪能させてもらいました。

  また別の意味の王道を楽しませてもらったのがマリリン・マンソン。ヘッドライナーの貫禄、紙吹雪が降りてくるなかで歌う姿のかっこいいこと。フェスだから時間が短めになるのは仕方がないけど、なかなかのベストな選曲だったのではないでしょうか。デペッシュ・モードのカヴァー“Personal Jesus”、ソフト・セルな“Tainted Love”、そしてご自身のヒット曲でもあるユーリズミックスの“Sweet Dreams(Are Made Of This)”などなどとオッサン的喜びですいません。しかしみなさんも一喜一憂していたのではないでしょうか。アンコールには壇上から“Antichrist Superstar”と2日間のフェスティバルを見事に締めてくださいました。SONICMANIA、色んなバンドが見れて楽しかった。

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