7月18日(土)に出演するアーティストの近作をピック・アップ!
ORBITAL
『Blue Album』Orbital Music(2004)
伝説的なレイヴ・ソング“Chime”で衝撃のデビューを果たしたポールとフィルのハートノル兄弟によるユニット、オービタル。テクノ黎明期からシーンを支えてきた彼らが、その輝かしい15年の歴史に終止符を打つラスト・アルバムがこれ。近年強く出ていたポップス/ロック的な要素が後退して、初期の作品を彷彿とさせるメロディアスで純粋なエレクトロニクス・ミュージックに立ち返ったトラックが目立つ。彼らが追求してきた集大成ここに極まり!(青木正之)
→〈WIRE〉でラスト・パフォーマンス! オービタルの歩みをプレイバック!
JEFF MILLS
『Choice』Azuli(2004)
話題騒然&大ヒットした究極のミックスCD/DVD『Exhibitionist』から間を置かず、宇宙人ジェフ・ミルズが何とアズーリのクラシック・シリーズ〈Choice〉に参戦! Disc-1はガラージ/ディスコ・クラシック中心で、Disc-2はバンドゥール(!)、サイレント・フェイズにジョーイ・ベルトラムといったテクノ・クラシック中心のミックス! バンザイ!! 〈『Exhibitionist』が最後のミックスCDだったんでは……〉というツッコミは厳禁!(石田 靖博 / bounce 2004年6月号掲載)
BADBOY BILL
『Behind The Decks』System Recordings(2004)
この夏、待望の初来日を果たすシカゴのベテランDJの最新ミックスCDはDVDとのセット。フィルター全開なゴリゴリのディスコハウスで攻めまくり、バカウマ・テクでガンガンにミックス、〈BADBOY〉の名に恥じないハードっぷりで否が応でも踊らされること必至。DVDでは、オネーチャンもクネクネ踊りまくるド派手なDJパフォーマンスが拝めます。〈WIRE〉でもこのパフォーマンスは絶対に見逃せない。(サノ'dodie'ユタカ)
石野卓球
『TITLE #2+#3』Loopa(2004)
今年の〈WIRE〉では自身のDJ出演に加え、電気グルーヴとして3年ぶりのライヴも控える石野卓球の最新作2枚組。〈卓球節〉ともいえるシャッフル・グルーヴがウネるものから、キッチュなニューウェイヴ調、アシッドの雄叫びを掴んだ楽曲、デリック・メイの名曲“Icon“と相似の感動をよぶメロディック・トラック”The Rising Sun“まで、多種多様な20テクノ・トラックス。毎作確実にアップデートされるクオリティーと音楽性の幅に、〈WIRE〉のそれにも通じたものを感じます。(リョウ原田)
KAGAMI
『WIRE GIGS』platik(2004)
前半なのにこんなアガっていいの?ってほどにスパークしまくった〈WIRE〉の2002&2003年の模様を収録した、とんでもなくハッピーなライヴ盤が登場。“Disco Filter”をはじめとした思わずニンマリな大ネタから未発表音源まで出し惜しみはナシ。世界最高峰のサウンドシステムを味わいながら、強烈なエフェクトのシャワーを浴びる快感に浸るべし。みなさんごいっしょに、〈トーキョー・ディスコ・ミュージック・オーナイローンッ!〉。(ケチャ / bounce 2004年04月号掲載)
THOMAS BRINKMANN
『Tokyo + 1』MDM / Max Ernst(2004)
40過ぎても精力的に活動を続けるトーマスおじさんの新作は、前回来日時にインスピレーションを受けたという、東京をモチーフにしたアルバム。フィールド・レコーディングした素材を切り刻み再構築、ノイジーなサウンドとファンキーなリズムの中に溶かし込む。ユーモアとストレンジさとテクノのファンキーさが奇跡的に同居した、そのサウンドから浮かび上がるのは真夜中の東京の雑踏か。おじさん、流石です。(サノ 'dodie' ユタカ)
ELLEN ALLIEN
『Remix Collection』Bpitch Control(2004)
ドイツのテクノ・シーンを牽引するエレン女史のリミックス仕事集。荒々しい音でもってブイブイとフロア・ライクに変貌させていく彼女の仕事ぶりに脱帽。はずれナシ! グート/ハンプ“Butterfly”は彼女の初期(94年)のデトロイティッシュな傑作リミックスだし、去年リリースされた一連のスレイジーなエレクトロ・ミニマルなスタイルもエエでぇ?。硬質なグルーヴ感が腰と脳を直撃するのだ! 未発表トラックも収録。(池田 謙司 / bounce 2004年03月号掲載)
TOBIAS THOMAS
『Smallville』KOMPAKT(2003)
マイケル・メイヤーと共にケルンシーンの看板を守るトビアス・トーマスの2003年リリースのミックスCD。カイトやジャン・ジェリネックなど、ディープ・ハウスからクリック系サウンドまでを〈川の流れのように〉ミックス。淡々としつつも刻まれるビートのファンキーさに気が付くと、そのサウンドの奥深さに驚かされる。テイストとは裏腹に、込み上げる音への情熱はケルンシーンを世界に伝えた男だからこそのもの。(サノ'dodie'ユタカ)
ALTER EGO
『Transphormer』KOMPAKT(2004)
昨年の<WIRE 03>で30分ながら濃密なステージを披露した、デビュー11年目の大ベテラン・フランクフルト・テクノ・ユニット、オルター・イーゴ。最新アルバムでは、シンプルな印象をリスナーに与えつつも緻密に音が絡み合った骨太なサウンドを披露。DJたちの間で話題になったノイジー&ワイルドな“Rocker”を収録です!(青木正之)
Pascal F.E.O.S.
『Self Reflexion』PV Records(2003)
スヴェン・フェイトのレーベル、HARTHOUSEを支えたレジスタンスDの中心メンバー。現在トップDJとして活躍する一方、レーベルを複数運営するなど多岐に渡り活躍。昨年発表したアルバムは、彼のハード・イーメジを覆し、叙情的シンセが全編に響き渡るグルーヴ感の溢れる内容。ハウスが好きなひともトライしてみる価値あり。(青木正之)
MONIKA KRUSE
『Passengers』Terminal-M(2003)
女性DJでおまけに美人、挙句男勝りのグルーヴを放つベルリンのモニカ・クルーズの2003年リリースのセカンド・アルバム。盟友パトリック・リンゼイと作り上げたサウンドは、トライバルなグルーヴだけに終始することなく、女性らしい柔らかく深い情景を見せる力強さと気品さが共に溢れる質の高いサウンドに仕上がった。トータル・アルバムとしての完成度が高い故、ヒット曲“Latin Lovers”が未収録なのも頷ける。(サノ'dodie'ユタカ)