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第1回 ─ 〈WIRE 04〉予習ディスク・ガイド

連載
オレらの 夏 フ ェ ス 予習・復習帳 04
公開
2004/07/07   16:00
更新
2004/09/24   19:53
ソース
『bounce』 255号(2004/6/25)
テキスト
文/bounce.com編集部

今年で6年目を迎える屋内巨大レイヴ〈WIRE〉は、7月17日(土)、18日(日)に横浜アリーナで開催! 2デイズ×2フロアーという前代未聞の巨大っぷり、電気グルーヴの3年ぶりのライヴ、オービタルのラスト・パフォーマンスなどなど……ビッグ・トピックは目白押し。というわけで、2004年一発目の〈夏フェス予習・復習帳〉では〈WIRE 04〉の主要出演DJ、アーティストの近作をピックアップ。bounce誌レビュー、bounce.com最新記事による〈WIRE 04〉予習ディスク・ガイドをお届けします! 

7月17日(土)に出演するアーティストの近作をピック・アップ!

JOSH WINK
『20 To 20 *』
Ovum Recordings(2003)

 あわわわ、すっかりディープなお人になられたと思っていたジョシュ・ウィンクですが、アシッドの魂はいまだ燻り続けていたようで……。この新作ミニ・アルバムにて、あの強烈にキ印なアシッド音を甦らせております。円熟味を増したサウンド・プロダクションに蠢くビキビキもウニウニもヤバイ方向に鳴りまくってて、悩殺されまくり。〈アシッド・バック・イン・ハウス〉、キテる!? 今後、彼の動向には要注目ですよ!(池田 謙司 / bounce 2003年12月号掲載)

DJ HELL
『N.Y. MUSCLE』
 ビクター(2004)

 インターナショナル・ディージェイ・ジゴロを主宰し、エレクトロクラッシュ・ブームの余波もあって常にシーンに話題を振りまいてきたテクノ界きっての伊達男、DJヘルが満を持して自身のアルバムをリリース。ここんとこ年を追うごとに増しているように思えるギラギラ感(ポマードのせい?)は本作に凝縮されており、もともと彼が持っているダークでソリッドなセンスも相まって、内容の濃さはハンパないことになっています。ゲスト参加しているDFAのジェイムス・マーフィーや元スーサイドのアラン・ヴェガといったキレ者との対決もヒリヒリするような名勝負。ドイツとNYのアヴァンギャルド相似関係も証明!? ヘルの強烈にアジテイトするエレクトロは向かうところ敵ナシですよ。あと唯一のアンビエント・トラック“Limbische System”の底なしな深さがまた凄くて失禁寸前。シャッポでも何でも脱ぎます。(池田 謙司 / bounce 2004年6月号掲載)

WESTBAM
『Electro Pogo Jam 133.3』
 platik(2003)

 石野卓球が〈LOOPA〉に続きDJミックス盤のリリースをコンセプトとしたレーベル、platikを設立! その記念すべき第1弾は、盟友バムやんことウェストバムだ! タイトルにもあるように、今回はパンク風味のエレクトロ・ブレイクビーツを中心とした選曲で、ロックなギターやらニューウェイヴなトラックを荒々しい(というかテキトー感溢れる)スクラッチやカットインで豪快にぶっこみ倒すバムらしいパーティー魂炸裂の一枚!!(石田 靖博 / bounce 2003年9月号掲載)

MARCO BAILEY
『Rudeboy』
 MB Elektronics (2004)

 ベルギーのハードテクノDJ/クリエイターの重鎮の最新作。冗談なのか本気なのか分からないクラッシュをパクったジャケに戸惑うものの、サウンドの方といえば毎度お馴染みの疾走度満点のハード・テクノのオンパレード。ハード・テクノ・ファンからトランス・ファンまでハードさに飢えているダンサーたちの心をガッチリ掴んで離さない、最凶の音の硬度と〈パンク〉にも通じるストイシズムは恐れ入ります。(サノ'dodie'ユタカ)

KEN ISHII
『Future In Light』
 70 DRUMS(2002)

97年の『Metal Blue America』以降、アレコレこなしてしまう、その守備範囲の広さにばかり耳を捕らわれていたリスナーもいたのかも。けれど本作には首を傾げたり、それを据え直す暇はナシ。エモーショナルなシンセのメロディーや、本能的な躍動感に直結するビート、次々に沸き起こる胸騒ぎの心地良さ。導かれるがまま、視線は上向きに……。〈ファンキーな肉体性とエレクトロニクスの関係を素直に打ち出したダンス・アルバム〉と自身が語るように、詮索の余地など見あたらないほど初期衝動に溢れたピュアな仕上がり、しかも本作は自身のレーベル70 Drumsの第1弾作品。こういう展開って……作品のみならずケンイシイその人も〈未来〉と同じ成分で出来ている、と言い切ってしまって差し支えないように思います。個人的には5曲目“Fadeless”のメロディアスなピアノに被さるエコーに〈明るい未来〉を感じてます。(立野 幸恵 / bounce 2002年11月号掲載)

BEROSHIMA
『The Catastrophe Ballet』
 platik(2004)

 石野卓球とのコラボ、〈WIRE〉への準レギュラー出演もあって日本では高い知名度を誇るフランク・ムラー率いるベロシマ、オリジナル・アルバムとしては4年ぶりの新作。エレディスコ・リヴァイヴァルの旗手的な彼らの音は相変わらずリズム・マシーンとシンセとヴォーカルで突っ走り、そこには同郷の大先輩で昨年復活したDAF師匠の影が見え隠れ。いまKAGAMIが好きな20代もフロント242が好きだったボディ好き30代も集まれ!(鈴木 真広 / bounce 2004年03月号掲載)

ZOMBIE NATION
『Absorber』
 Dekathlon(2003)

 ニュー・ウェイヴ・テイスト満載の“Kernkraft400”で世界中を騒がせたゾンビー・ネイション。2003年発表の現時点での新作『Absorber』は、エレクトロ・クラッシュやディスコ・テイスト全開の奇天烈テクノなど各曲の持つインパクトが強烈!ロック・ファンにもアピールできそうですが、しっかりと〈テクノ〉している一枚。(青木正之)

RYUKYU DISCO
『LEWUIO DISK』
 platik(2004)

 沖縄フィーヴァーがついにテクノ界にも! 石野卓球が主宰するplatikの第4弾は、近頃注目を集める双子兄弟テクノ・ユニット、RYUKYUDISKOのデビュー・ミニ・アルバム。りんけんバンドをサンプリングした激殺トラック“zan”をはじめとして、硬質かつファンキーなリズムにウチナー・フレイヴァーをこれでもかと炸裂させた能天気さ加減が最高。ライヴも定評がある彼らだけに、〈WIRE 04〉にも出演が決定しておりますぜ!!(ケチャ / bounce 2004年06月号掲載)

PAUL KALKBRENNER
『Self』
 Bpitch Control(2003)

 エレン・アリエンの主宰するビッチ・コントロールの静の部分を象徴するかのようなポール・カークブレナーの新作。繊細なメロディーで静かに深く沈み込んでいくようなテクノで、ストーリー性のあるアルバム全体の構成も素晴らしいです。嫌味のないドライな哀愁を漂わせているとこが良くて、歌こそないもののビョークの世界観とも似ている感じ。絶妙な揺らぎがじんわり染みてくるワビサビのある作品ですよ。(池田 謙司 / bounce 2004年05月号掲載)

ANTHONY ROTHER
『Popkiller 』
 Intergroove/Datapunk (2004)

 97年、ハイコ・ラックスのレーベル、Kanzleramtからミニ・アルバム『Sex With The Machines』をリリースし、シーンに衝撃を与えた天才。5枚目のアルバムは自身のヴォーカルをフィーチャーしたデペッシュ・モード風から、美しいシンセのトランシーなナンバーまであり、ポップでメロディックな面をだした注目作。(青木正之)