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第37回 ─ Jフュージョン黄金期の偉人たち

グルーヴィー!! メロウ!! ホット!!なJフュージョンの偉人たちをご紹介!!

連載
360°
公開
2003/12/11   17:00
更新
2003/12/18   17:06
ソース
『bounce』 249号(2003/11/25)
テキスト
文/前田 和雄、松沢 康晴

大村憲司
  今年で没後5周年を迎えるギタリスト、大村憲司は村上“PONTA”秀一と共にフォーク・グループ、赤い鳥でデビュー。80年代にはYMOのワールド・ツアーにサポート・ギタリストとして参加したことで脚光を浴びた。その後もこの世を去る98年まで数えきれないほどのレコーディングやライヴ・サポートで活躍し、多くのアーティストが彼のプレイを頼りにした本物の〈ミュージシャンズ・ミュージシャン〉だった。

 また今年の夏には、その参加作品数に比べるとあまりにも少なすぎた4枚のリーダー・アルバムがようやく揃って店頭に並んだことも話題となった。なかでも78年の『KENJI SHOCK』は単身LAに渡り、ハーヴィー・メイソンやTOTO結成前のジェフ・ポーカロらと録音した金字塔的作品。81年の『春がいっぱい』はYMOの面々が全面参加した、黄色いジャケットが印象的なポップな人気盤だ。また、大村の命日にあたる11月21日には膨大なライヴ音源を2枚に分けて収録した貴重なレア・トラック集『Left-Handed Woman ~best live tracks I』『Leaving Home~best live tracks II』が登場。村上“PONTA”秀一や大貫妙子、矢野顕子、沼澤尚ら盟友たちと共に素晴らしい演奏を繰り広げたステージの模様が計18曲収録されている。しかも未発表の新曲6曲も追加収録されており、なかでもPONTA BOXとの共演テイク“Georgia On My Mind”の歌心溢れるプレイは、まさに大村憲司の真骨頂。ファンならずとも聴いておきたい名演が満載だ。Kenji Forever!(松沢)

▼大村憲司の作品を一部紹介


78年作『KENJI SHOCK』(ソニー)


81年作『春がいっぱい』(ソニー)

MARIAH
  70年代当時、若手No.1テナー・サックス奏者として注目を集めはじめていた清水靖晃のセカンド・アルバム『MARIAH』。このアルバムの制作のために集まった、笹路正徳、山木秀夫、土方隆行というメンバーが70年代の終わりに結成したグループがMARIAHだ。その後、日本の音楽シーンを担うことになる重要プレイヤーたちが集まっていただけに、ジャズ、プログレ、クラシックなどを融合させたボーダレスなサウンドを展開。〈登場が20年早すぎた〉とまで言われていたが、過去作品のリイシューによって今また再評価を集めている。(松沢)

▼MARIAHの作品を一部紹介

PRISM
  75年結成。元祖フュージョン・バンドとして衝撃的なデビューを飾る。鬼才・和田アキラを中心に、凄腕なテクニックと緻密で疾走感溢れるハード&メロディアスなサウンドで人気を集め、今日でも現役バリバリで活躍する長寿バンドだ。また、時代を駆け登るように進化を遂げてきたアーティスティックな存在感は、〈超技巧派〉の枠では収まらない唯一無二の魅力を持っており、いまだ枯れることのない無限大の可能性を秘めている。(前田)

▼PRISMの作品を一部紹介

PARACHUTE
  79年に結成され、〈音楽はスポーツだ〉のキャッチコピーでデビュー。林立夫ほか、当時のポップ・シーンの屋台骨を支えていた超売れっ子スタジオ・ミュージシャンが集ったスーパー・バンドだった。活動は短期間ではあったものの、耳当たりの良いキャッチーなメロディーとカラフルなポップ・センスをアメリカ西海岸風のオブラートに包み込んだ独自のAOR/フュージョン・サウンドを確立。〈日本のTOTO〉とも呼ばれた。(前田)

▼PARACHUTEの作品を一部紹介

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