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第6回 ─ 阪神優勝記念! 〈JR 2003松坂世代〉特集担当が綴るライバル論

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公開
2003/09/17   11:00
更新
2003/09/17   17:37
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文/久保田泰平

日本中が沸く阪神タイガース18年ぶりのリーグ優勝。一方で、読売ジャイアンツ狂のbounce誌担当(日本ロック界のホープを集めた〈松坂世代〉特集を担当)はちょっとご立腹の様子。野球界も音楽界もライバル対決が盛り上がってこそ面白い、ということで今回の編集部員コラムでは音楽界のライバルたちを振り返ります。

 阪神タイガース優勝おめでとう!……っていうよりも読売ジャイアンツのバカヤロー!って感じだよ、まったく。優勝はかなり前から無理だとあきらめてたけど(あっ、僕は巨人ファンです)、それにしても後半戦は気合いの入ってない試合が多い! 渇!!!!! 阪神にとって永遠のライバルである巨人がもっと骨のある試合をしていたら、レギュラー・シーズンはかなりヒートアップしていただろうし、そのうえで敗れたなら〈阪神おめでとう!〉〈巨人がんばった!〉って、悔しいながらも気持ち良くお互いの健闘を讃えることができたと思うんだがな(85年の阪神優勝時はそうだった)。とまあ、巨人のグチを言い出してもキリがないので本題に。今回は、いまさっきちょっと触れた〈ライバル〉をテーマに(某音楽TV番組っぽいね)。

 ライバル同士が鎬を削り合うことは、お互いのモチベーションを高めていくことにも繋がって、ハイ・レヴェルな成果をもたらすことになります。今年、巨人がもう少し強かったら、ハイ・レヴェルでエキサイティングなゲームをもっと観ることができただろうし……と、野球の話はさておき、それは日本のポピュラー音楽にも当てはまります。古くは御三家(西郷輝彦、橋幸夫、舟木一夫)、GSブームにおけるタイガースとテンプターズ、新御三家(郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎)、花の中三トリオ(桜田淳子、森昌子、山口百恵)、ロック御三家(チャー、ツイスト、原田真二)、松田聖子と中森明菜、チェッカーズとC-C-B、Mr.Childrenとスピッツ、L'Arc-en-CielとGLAY、宇多田ヒカルと浜崎あゆみ、タワレコ御三家(くるり、スーパーカー、ナンバーガール)……当の本人たちが意識してなくても、まわりがなんとなく(並べたくなるから)並べたものもありますが、いま挙げた人たちの音楽すべてがそれぞれの時代を象徴するものだったりします。では、最新の〈ライバル同士〉はいったい誰なんでしょう?

 というところでbounce9月号、現在当サイトでUPしている特集〈松坂世代〉。この特集、要は最近注目のギター・バンドを扱った内容なのですが、企画意図には、かつてのライバルたちのように互いを刺激し合いながらたくましくなっていくであろう、そしてその結果、次世代のスタンダードになっていくであろうという大層な意味と期待感も込めたものなのです。前めで紹介したASIAN KUNG-FU GENERATIONやLOST IN TIME、レミオロメンといったバンドはその本命といったところでしょうか。もちろん、本人たちに〈ライバル〉という意識はさほどないと思いますが、近い将来、〈アジカン派〉〈レミオ派〉なんて言葉が女子中高生のあいだで囁かれているんじゃない?……という想像も、飛躍したものじゃないような気がします。今後の活躍が楽しみですね。余談ですが、あそこで紹介したバンドのなかでは椿屋四重奏が個人的に押し! 球界の〈松坂世代〉で例えると、広島カープの永川といった佇まいでしょうか。アグレッシヴで新人離れした肝を持ってる感じで、おまけにジャケットは赤いし。

▼文中で紹介したアーティストの作品をご紹介