このコーナーは、デビュー・シングル『自殺志願者が線路に飛び込むスピード』発表を前に、プレデビューDVDでの衝撃的フォーク・パンクっぷりが大注目を集めている弾き語りユニット、野狐禅(やこぜん)が贈る連載対談企画。その名も「野狐禅の社会福祉概論」。最終回の今回は、かなり真面目に(このコーナーの本題である)福祉を、そして彼らの野望を語ります!
竹:俺さぁ、福祉の大学を卒業したけど、まぁ、学校も行かず、チャランポランな生活を送っていたんだけど、大学ってあんまり熱血教師っていないじゃない? 寝てようが、さぼろうがさ?
濱:そうだね。
竹:ところがたった一人だけ、中学とか高校にいそうな「バカヤロウ、甘えてんじゃねえ!」的な先生がいて、無理矢理だけど俺に高齢者福祉について叩き込んでくれたんだよね。現在、役にたってるかどうかは別にして、単位ギリギリで絶対卒業できないってところに救いの手を差し伸べてくれて、俺はその先生のお蔭で卒業できたようなもんなのね。
濱:へぇー。
竹:でね、恩は何も返せないけど、「社会に出てからの活躍でもってお返しします!」ってその先生に約束したわけですよ。で、今こう音楽をやってるでしょ? この音楽、ミュージシャンっていう職業だってさ、どうかわかんないよ、でも俺はすごいお金持ちになりたいわけですよ。それはもう半端じゃねえ大金持ちに。
濱:富豪だ。
竹:そう。で、己の生活費、家族が出来たら家族を養っていく金、そして好き放題贅沢する金(笑)、これらを得たら、俺はその残りの金をどうにか高齢者福祉に役立てたい! そう決めているわけですよ。その先生との約束を果たすために、"金"っていう一番わかりやすい形で福祉に役立てる。その為に、大金持ちになりたいです! 以上(笑)。
濱:僕もね、同じく福祉を学んでたけど、単位を取るためだけの活動だったわけですよ。だから少子化だとかね、いろんな問題があるっていうのは一応学びましたけど、全くもって福祉の仕事ってのはできないんですよ。そんな僕が、福祉について語るのもなんだけど、「福祉」っていうのは、「制度」でしかないと思ってしまうんですよ。結局は「福祉」って「思いやり」とかに結びつくじゃないですか。だから僕はそういう「思いやる制度」みたいなものがなくても、高齢者なり、障害者なりの人が何不自由なく生活ができる環境になって、「福祉」っていう言葉がなくなるくらいじゃないとだめだと思う。現実はね、例えば高齢者のオムツの世話とかってしたくないから、「福祉」っていう仕組みを作ってなんとか世話してるわけですけど、理想は、「福祉」っていうものが存在しないことだと思うな。
竹:お前ほんとにすばらしいこと言ってるね。そんなもんは当たり前だぞ、ということだよな。日本は福祉の分野が遅れてるわけでしょ。簡単な話、施設の数が足らないとか、ホームヘルパーの数が足りないとか。俺、かあちゃんとよくそういう話しすんだけどさ、こう、老人擁護施設とかさ、老人ホームって、「入れられる」感があるじゃない?
濱:ありますね。身寄りが無くってしょうがなく、みたいなイメージ。
竹:そうそう、だからね、高齢者になったら当たり前のように、家で暮らすもよし、そういう施設で余生を過ごすもよし、「どっちにしようかな?」くらいの余裕がさ、そういうのが考えられるくらい「福祉」っていう言葉が無い状況になるのが理想なんだろうね。濱埜が言ったみたいにさ。
濱:高齢者問題に限らず、バリアフリー!とか言って、例えばスロープつけたことを高らかに言ったりしてるけどさ、そうじゃなくって、例えば階段を見たら「これじゃ車椅子の人が通れないね」って当たり前に気づいて、普通にスロープが付いてるくらいじゃないとだめだと思うんですよ。
竹:それがなんの為に付いてるか考えないくらい普通にね。いったい何百年前から体の不自由な人がいたんだっつー話しだよな。
濱:ねえ?今更ねえ。
竹:それがさ、当たり前のように設備されてるのがベストでしょ。遅れてんだよ。ほんとに。
濱:‥‥なんか、最終回なのに笑いどころ無いまま終わっちゃいそうですけど(笑)。
竹:ほんとだね(笑)。なんだかんだやってみると、まじめに語り合ってしまったっていう(笑)。まあ、当初のコンセプトから大いに外れてしまいましたけど、とにかく俺はその稼いだ金でもっていっぱい施設を建てるよ(笑)!
濱:そのためにみんなCD買ってくれ、と(笑)。
竹:それだ!(笑)
▼ 野狐禅の作品をご紹介。