いよいよ夏ですね、みなさん。bounce編集部には夏になるとグイグイとテンションを挙げていく夏男がいます。そのうちのひとりが僕なんですが、もうひとりが編集長の西尾“ジョビン”大作。今回は、そんな夏男(オッサン?)ふたりで、〈夏のサウンドトラック〉をテーマに対談してみました。
西尾(以下:N)「夏だね、暑いね。思わず上半身裸で朝5時までモヒート飲みながら自宅でDJしてたよ」
大石(以下:O)「そりゃ大変ですね。ところで、〈夏〉をテーマにCDを紹介せよ、という指令がbounce.comのHくんから来てるんで、まずは僕からオススメCDを。一発目は、ベタですが、MOOMINと三木道三の“SUMMER RIDDIM 01”(→)」
N「(さえぎるように)オレはサザン!! 10代の頃から毎年、サザンを早朝から爆音で聴きながら湘南をめざすのよ。そんでビーチで特に色恋沙汰もないと、帰りの車の中で“夏をあきらめて”(左盤、『海のYeah!!』に収録)なんか聴いちゃってジーンとするわけ、助手席で未練たらしい顔してる桑原シロー(ライター)はいつもいっしょに口ずさんでる」
O「僕の次の盤はヨ・ラ・テンゴの『Summer Sun』。〈夏〉っていっても全然夏っぽくなくて、ジャケでもメンバーがコートを着てるんです。音のほうも、むしろ冬っぽい感じ。日本の夏に聴いたら、逆に暑くなりそうな感じがいいんじゃないでしょうか。クーラーで冷えきったオフィスで聴くにはピッタリ」
N「次はジョナサン・リッチマンの“That Summer Feeling”(左盤、『Best Of, The Jonathan Richman: I Must Be King』に収録)。モワ~ンとした妄想を抱かせるあのモワ~ンとした熱気を言葉にできなくて、〈ほら、あの夏の雰囲気ってあるじゃない?〉みたいなことをたる~い感じで歌ってる」
O「僕は、次はPALM ECHOの『LET'S GO SUMMER BEACH!!』。これは沖縄で録ってきたフィールド・レコーディング音源や、普通のおじいの歌なんかがそのまんま入ってるんだけど、コレ聴いてたら間違いなくビーチに行きたくなっちゃいますよ」
N「オレはチャボこと仲井戸麗市の“スケッチ'89・夏”(左盤、『CHABO’S BEST HARD&Heart』に収録)。10代の多感な時期にリリースされたんだけど、金はないけど性欲はマンマンな夏休みの夜中に、野郎どもでダラ~っとウダウダしているときに聴くとグッときちゃうんだよ。淡くてやるせない、ある夏の日の情景が次々と脳裏に浮かんできちゃうようないい曲なんだよね」
O「ラストは思い付かなかったので、僕のカラオケの18番、泉谷しげるの“春夏秋冬”」

VARIOUS ARTISTS『Le Steel Band De La Trinidad -Magie Caraibe』Arion(1972)
N「(“春夏秋冬”は)シオンのカヴァーもいいんだよね。バックがラウンジ・リザーズだしね。オレのラストはまんま“Summer Time”。ジャズのスタンダードとして有名だけど、今回はスティールパン(左盤、VARIOUS ARTISTS『Le Steel Band De La Trinidad -Magie Caraibe』に収録)。夏の狂気や暴力性、煮え切らなさなんかを、ぶっきらぼうなヴォーカルと殺伐としたギターやスティールパンで表現してるダメダメなカヴァー」
O「ああ、これを聴くと、夏っていいんだか悪いんだかわからなくなりますね」
D「俺はこの夏には聴かないけどね。できればチューブの〈♪Stop The Season In The Sun〉(歌いながら)をテーマソングに今年の夏はイクよ!!」
O「いやー、僕から見ると、それもどうかなと思いますが……」