竹:ちょっと勇気がいることだと思うんですよ。よっぽど弱ってるなと思うくらいでないと言いづらいしさ。ランバードなんか履いて「私はまだ若いのよ」感を出している婆さんが車内に紛れ込んだりすると、誰も座れない微妙な一席が生まれたりするじゃないか。
濱:僕は思うに、結局のところ、譲る奴ってのは、譲りたい奴なんですよ。席を譲るのは良い事だとわかっていて、率先して席を譲ることによって「ああ、今日も良い事をしたな」という満足を得てるんですよ。そこを否定しちゃイカンと。
竹:どんどん見返りを求めようじゃないかと。
濱:逆に、そういうのを求めるのは意地汚いっていう風潮が、どうもね。
竹:俺は見返りを求める親切の方が健全だと思うんだよ。見返りを求める事をいやらしいとか言うヤツこそ偽善だね。
濱:きれい事はうんざりだ、と(笑)。
竹:あとね、ギャップが大事だってことだね。
濱:ギャップ?
竹:普通の親切そうなヤツが席を譲ったところで、何も変わらないと思うんだよ。
濱:ほうほう。
竹:普通じゃねーかって。例えば、電車内で、金髪・ピアスでボンタンはいている奴の携帯に電話がかかってきました。そいつは平気で電話に出て話を始めました。これも普通ですよ。
濱:まぁ、こいつなら仕方ないかってなりますよね(笑)。
竹:そこで最大限にそのキャラを生かすには「席を譲る」ですよ!そんなガラの悪いあんちゃんが「おばあちゃん、ここ座んなよ」って、ここ、敢えてタメ口ですよ、そんなの見てごらんなさいよ、やっぱやられるだろ!
濱:天晴ですね。
竹:そういったおいしさどんどん追求しっていってもらいたい訳ですよ。マナーだとかモラルだとか別のところで「席を譲る」ということはこんなにもおいしいんだということを分かってもらった上で、我々は「席を譲る」を勧めたいですね。
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